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嘘グルメ 第十四話「甲子園の砂」

甲子園の土っていうのは他の球場よりも10センチから15センチも高いんや。「グラント整備は一日にして成らず」、「グランド整備は嫁にさせるな」、「かわいいグランド整備士には旅をさせろ」。うちの社長が口を酸っぱくして言うように、俺らは365日ここの土をいじっとる。試合の合間には俺らがグランド整備をしてお客さんが歓声をあげてくれるんや。それぐらいの仕事をしてる自負はある。やけど俺らの仕事はエンターテイメントやない。それは選手の方々がやることや、やけど、、嬉しなって笑ってまうわな(笑)

まあまあ、もうちょい飲みーや(笑)ごめんママ!串カツもう10本ちょーだい!え?なんでやねん!ほな通天閣丸ごと揚げたらどないでっか!(笑)ほんまもー新喜劇やないねんから!あーごめんごめん!兄ちゃんもこのノリについてきーや!あー久しぶりに酔うたわ。。カウンターでソーシャルダンス?を保っての飲みやけど、やっぱ楽しいなぁ。。くそが!高校球児の夢奪いやがってよ!!何様のつもりやっちゅうねん!出てこいコロナ!巨大ハリセンでしばいたるわ!!…グスッ

…もちろんプロ野球の試合を整備できるんは大阪人の誇りや。でもな、高校野球には全国の子供たちが集まってきおる。子供言うんも失礼かもしれんけど、俺らの整備したグランドで高校球児たちがハツラツと野球してんの見てるんがな、、一年で一番幸せな瞬間なんや…。なんとかならんかなぁ。その為やったら3ヶ月くらいタダ働きしてもええねんで?(笑)嫁はんにはごっつい怒られるけどなぁ!(笑)なんとか、なんとか、今年の高校球児たちが、、分からんけど、ええ風になったらええなぁ。

ほんでグルメの話やっけ?お前も物好きやなぁ。知ってるか?球児達の汗と涙を吸い込んだ甲子園の砂は調味料として重宝されるんや。集めた砂を丁寧に撹拌させ、無駄な物を排除させるとキラキラ輝く塩に似た調味料になる。ゆで卵にチョンして食べるだけでも夏を全て閉じ込めたような旨味がするんや!でも俺のオススメは、、豚肉のかたまりに甲子園の砂塩をまんべんなくすり込む。それをラップで包んだら冷蔵庫で5日ほど置いておく。豚肉を取り出したら水で表面を洗ってキッチンペーパーで水気を拭き取る。お好みの厚さに切ったらアホほどフライパン熱してごっつぅ焼いたらんかい!ええ感じにブワーッとなってビシャー!なったら切ったったらええねん!砂塩豚肉のステーキや!!おおきに!それ一口食べてみいな!藤川球児の豪速球ストーレート空振り三振や!!新庄!亀山!帰ってこーい!ママ!酒や酒や!酒持ってこんかい!自粛した分、今日で全部取り返したるわー!!(笑)

まだ分からない。代替え案も出ているし、知事も開催に前向きだ。どんな形になるか分からないが、こんなシチュエーションからも、最良の選択がされる事を祈る。それが実現すれば、幻の調味料は来年でも再来年でもいつまでも待つ気である。

「甲子園の砂塩豚肉のステーキ」

材料(四人分)

豚肩ロース肉・かたまり 400g

甲子園の砂塩 30g

作り方

1 その年の高校球児の47チームの努力が詰まった甲子園の砂塩を手に入れる。

2 豚肉に「甲子園の砂塩」を全体にふって手で軽くなじませ、塩を全体にまんべんなくすり込む。

3 ラップで豚肉をぴったりと包み、冷蔵庫に入れる。漬けてから約3~5日おく。

4 取り出したら水で表面を洗って、キッチンペーパーで水気を拭き取る。

5 アホほど熱したフライパンでごっつぅ焼いて、ブワーッとしてビシャーっとする。

6 ほしたらごっつぅうまいです。

ポイント・コツ
まあ、あんじょうやってや!

※本文に出てくる料理は、嘘です。

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