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◆オーディトリー・ニューロパシー(103):人工内耳リハビリに向けて

人工内耳の埋め込み手術から退院したので朝から仕事に行った。入院して体力が低下したのか、大学行きのバス停までの1.5キロがふだんよりもしんどくて息切れ。授業はオンライン授業をする週なので体力的にはよかったかもしれない。

人工内耳のインプラントを埋め込んだだけの左耳は現在ほとんど聞こえない。外からの音刺激が入ってこない代わりに自分の声、咀嚼音、歩く時の足音が振動とともに響いて聞こえてくる。ちょっと大きい声出すと自分の中で反響して聞こえるのでいやな感じ。あまりしゃべらないようにしている。その上出かけると後ろから自転車とか通行人が突然やってきてひやひやする。不便で不快で危険である。

音入れはまだだし、リハビリはずいぶん先だが、目標を立てる。ソーシャルディスタンスありでも1体1なら会話できるようになる、授業前後の学生からの質問に答えられる、演習系の授業を音声認識アプリなしでも行える、少人数でやり方工夫すれば会議に加われる、落語を字幕無しで楽しめるようになる(喬太郎師匠は無理でもせめてさん喬師匠くらいは…)・・・。

こんなんつらつら書いたって結局また期待はずれにおわるんじゃないの?いやいや難聴を引き起こすOPA1という遺伝子変異でオーディトリーニューロパシー(私が患っている難聴を引き起こす病)になった場合の人工内耳の結果はよいという報告(1)もあるし、とはいえ手術中の神経反応テストの結果が悪かったみたいだし、いやでもいろんな人から「音入れ楽しみですね」って言ってくれるし・・・といろいろ葛藤するのであった。

退院報告のメールの返事に書かれていた「(健聴の)私たちでは分からない音の世界が広がっていると思います」っていうX先生の言葉を信じてみようと思う。

文献

1. Shearer, A. E., & Hansen, M. R. (2019). Auditory synaptopathy, auditory neuropathy, and cochlear implantation. Laryngoscope Investigative Otolaryngology, 4(4), 429-440.

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