見出し画像

"限界"を超える~『僕のヒーローアカデミアTHEMOVIE 2人の英雄』~

"Plus Ultra"

プルス・ウルトラ=さらに向こうへ

『僕のヒーローアカデミア』においてヒーローが大切にするスローガンであり、限界だろうと誰もが思った時、ヒーローたちが自らやお互いを鼓舞し、その"限界を超える"、そんな時によく出てくる言葉である。

この映画は誰かのために行動するヒーローを描く物語として、何かを貫くことの大切さをど直球でビシビシと伝えてくれる。

◇漫画のあらすじ
全人口の80%が超能力を持つ超人社会。
無個性というこの時代には珍しい性質を持った主人公、緑谷出久(みどりやいずく)、通称"デク"、が憧れであり「平和の象徴」であるプロヒーロー、オールマイトと奇跡的に出会い、個性を受け継ぐ個性"ワン・フォー・オール"を授かる。
そんな緑谷少年が国立雄英高校の難関ヒーロー科で個性的な仲間たちと共に切磋琢磨しながら、最高のヒーローへと駆け上るまでの物語である。

◇映画のあらすじ
ある人物からの招待を受けて巨大人工移動都市「I・アイランド」を訪れたデクとオールマイトが、「無個性」の少女メリッサと出会い、デクは彼女にかつての自分の姿を重ね合わせる。そんな折、鉄壁のセキュリティを誇るはずのI・アイランドの警備システムがハッキングされ、ヒーロー社会を揺るがす、ある計画が発動する。

今回のヴィランがこいつ。

個性は金属操作でX-MENファンならおなじみマグニートー完コピ能力持ちの強力なヴィランである。

僕はこのヴィランの働きが、この漫画のスローガン"Plus Ultra"という言葉の価値を最大限に発揮させ、この映画を最高に面白くさせていたと思う。

ポイントはこのヴィランが作り出す、多重な層のように構築された"限界"である。

このヴィランが作り出した"限界"を洗い出してみた。

①最強のヒーローオールマイトを含む、多くのヒーローを行動不能にした
②金属を操る個性でデクをボコボコにした
③オールマイトがデイヴィッド博士(オールマイトの親友でノーベル賞を受賞した科学者)を救い、ヘリコプターの爆発で死んだかと思われたが、博士が作った個性増強システムで個性を増強させて、さらに強くなって現れた。
④実はこの計画を聞いていたシリーズ最凶のヴィラン"オール・フォー・ワン"から筋力増強の強力な個性を譲渡されていて、オールマイトの攻撃を防御でき、捕縛し、ダメージを与えられるほどの強さを持っていた。

①は序盤ではあるものの、あとの②〜④は後半にぎゅっと集約されており、20分くらいの短い戦闘シーンの間に”限界”が3つも出てくる。

単体でオールマイトの攻撃を受け止めることができる又はダメージを与えることができるヴィランは、脳無や時系列的にのちに戦うことになるオール・フォー・ワンだけ。
ヒロアカを知っている人にとってオールマイトが苦戦する=マジでやばいと頭に刻み込まれているので、④の"限界"はこの漫画の中では最高レベルの限界なのである。

この映画では、"Plus Ultra"を掲げるヒーローたちがボロボロになりながらも、諦めずに"限界"を超える姿を見せてくれる。

彼らを動かしていたのは誰かを守りたいという思い、
そして、それをひたすらに後押ししてくれていたのが"Plus Ultra"なのだ。

このど直球さが熱い展開を生み出し、観客の心を動かしていたと思う。

どのようにこれらの限界を超えていくのかをぜひ観て欲しい。


漫画ファンとしてアニメは初めて見たけど、映画だけ観ても純粋に楽しめるのではないだろうか!

(映画の話というより、ヒロアカ自体の本質の話をしていた気がするけど、気にしない)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?