クロチアゼパム日記⑮ 所謂「裏金」・政治と金について 2024/10/6
パーティ券還流の不記載問題は、司法的決着、党内処分、法改正が行われたので、国政にとって大きな問題ではないと僕は考えていた。しかし、その認識は間違っていた。「裏金・政治不信」は、自民党の弱体化と国内統治の混乱を目的としたキャンペーンであった。政治を良くするための課題設定ではなく、自民党を傷つけるためのいちゃもんであり、「裏金」という言葉を連発すること自体が目的である。オールドメディアも野党も、政界引退するまでは「裏金」のレッテルを取ろうとはしないだろう。繰り返すが、様々な勢力は、「裏金」というネガティブイメージで真の政治課題から目をそらさせることを目論んでいる。有権者は、この印象操作に乗せられてはいけない。
大半の「不記載議員」にとっては、不運な巡り合わせであり気の毒なことだと思うが、降りかかる火の粉は自ら払ってもらわねばならない。「私に裏金というレッテルを貼ることは許さない」と断固表明してもらいたい。僕が希望するのは、自らのホームページに詳細且つ真摯な「説明と約束」を公開することである。不記載事案の有無、公認や比例重複の可否などとは関係なく、政治家としての自らの姿勢をクリアにして選挙に臨んでほしい。印象操作に闘ってほしい。
【公開すべき説明と約束】
① 報道の指す「裏金問題」とは 新聞等第三者の解説文引用
② 自身の不記載事案の詳細
③ 司法上の顛末、自民党から下された処分
④ 今回事案にたいする見解・釈明
⑤ 政治資金についての今後の支部・議員の姿勢、施策 ≒ 政治資金の透明化策
裏金レッテルはキャンペーンであるので、選挙に通ったから禊は済んだ、ということにはならない。統一教会問題と同様いつでも何度でも蒸し返される。「裏金ではない。事実関係はここに公開してある。」と都度主張できる装備が必要だ。 キャンペーンの目的は、「自民党議員は、政治資金の流用や利権によって私服を肥やしている。」というイメージをまぶすことにある。これに真っ向から対抗するには、⑤の施策として「入と出の完全透明化」を掲げるしかないと思う。ほとんどの議員には、公に出来ない支出など無いのではなかろうか。会社経営者や個人事業主は、証憑保管の上で貸借対照表と損益計算書を添付して確定申告している分けであるから、政治家(政党支部)もこれに倣うのが一般の理解を得やすいと思う。自らの政治姿勢として、現行法制や党の方針以上に厳格に、資金の流れを有権者に対して公開するようにしてほしい。
「裏金・政治と金」問題を総選挙の争点として扱われてしまうのは、国と国民にとって実利の無いことではあるけども、仕掛けられてしまった以上は致し方ない。保守系議員の方々には、丁寧に防衛して頂くほかない。蛇足ながら、政治資金の集金能力は、集票能力と同様に政治家の実力である。支出の透明化を担保した上で、献金でもパーティ券(国民からの)でもどんどん集めたら良い。支援が強いことに何の問題があろうものか。清貧を持って政治家を尊ぶほど国民は愚かではない。
話は変わるが、「政治改革」と言うなら、政治資金だけでなく、民意の反映と政策決定プロセス全般を対象とすべきである。小選挙区と比例復活によって、衆議院議員はひ弱になっているのでは無いか?公認が既得権益化していないか、世襲に甘くないか?二大政党化しそうにない日本で、今の選挙制度や党運営(特に候補者選定と議員の育成)は上手く機能しているのか?中選挙区制と派閥連衡政権に良い点もあったのでないか?裏金どころか利権とか売国という事象があるのでないか? と言うようなことが語られるべきだと思う。 とは言え、この切迫した環境下で、このようなことにエネルギーを割く余裕がある筈ないので、ひとりレベルの政治・選挙活動の近代化について思いを述べたい。
言うまでもなく、立法府の仕事・党政策決定の仕事、内閣に入り行政を司る仕事、それらを正しく上手く遂行するための自己研鑽することが、国民から議員に託されたものである。これらに、最大限の時間と労力を割いて欲しいのだけれども、「選挙に落ちればただの人」になってしまう以上、次の選挙で勝つための活動に重きを置かざるを得ないことも理解できる。しかし今どき、朝のビラ巻きとか辻立ちのようなものは時間の無駄遣いだとしか思えない。今やネットの時代(ネトウヨの多くは老人という話もあるくらい)であるので、政治に関心のある人はネットで情報を収集しようとする。今回の総裁選でも、地元の議員がどの候補を推したのかを調べているであろうし、それを考慮して総選挙の投票をするだろう。過去は、情報の決定的不足によって、歪んだ見識、だらしない人格の者でも当選できたであろうが、今はそうではない。候補者をググって価値ある発信や取り組みを見出せなければ、いくら駅前で見かけていても投票には繋がらない。小選挙区であっても、政治家は本来 その全人格で票(有権者からの信託)を獲得するものである。その点、動画配信は政策と人間性と熱意を有権者に届けることにまことに適している。1時間やそこらの車座より、はるかに深く候補者の資質を知らしめることができる。有権者がその候補者に関心を持ってググったとき、過去動画がずらっと並ぶようであれば、確実にリーチできる。僕は、長尾たかし元代議士の大ファンであるが、それは配信動画を通して、彼の信条や政治姿勢、人柄を良くよく知ることができたからである。動画は地金を隠しきることが難しいと同時に、真剣さや人柄は自然に伝わる。僕の居所には若くて優秀な代議士がいるけども、彼の配信はショート動画数本であり情報量がまったく少なく、彼の中身を知ろうとする僕は不満に思っている。狭い選挙区であるので、不特定多数向けのネット配信では有権者への到達効率が悪く思えるかもしれないが、(長尾さん並みにとは言わないが)もっともっと配信を増やしてほしい。世情がこれだけ悪くなってくると、有権者がネットチェックする可能性はとても高くなっていると思う。組合員でも学会員でもネットは見るだろう。視聴者の属性がどうであっても、魂のこもった動画なら必ず伝わる。根強く続ければ再生数も増えるしチャンネル登録(≒支援者候補)も増える。国家国民のために尽くす覚悟のある政治家は、その思いや姿を精力的に配信して欲しい。動画配信は、実のある政治家にとっては極めて有効な手法であり、無為無策の候補者との差を鮮明にするツールだと僕は思う。
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