【第1回】大人になっても役に立つ理科  空の青さと光の色

 大人になってから理科の知識が役に立った経験はありますか?
世の中の結構の人は役に立ったと感じていないらしいです。
私は理科が得意なわけではなく、ただ好きという気持ちと知ることへの好奇心だけで理科教育学者をやっています。
そんな私が、大人になってからでも知りたい大人になったからこそおもしろい理科の話しをやっていこうという記事です。

 前置きが長くなりましたが、第1回は「空の色、空気の色」です。
早速ですが、質問です。空の色は何色でしょうか?青ですか?赤ですか?
答えは「透明」が適切でしょう。ここまでは難なく答えれられましたね。
では、次の質問です。
なぜ、青や赤に空の色は変わるのですか?そつなく、答えることができますか?

 答えは「太陽光に含まれる青い光は分散しやすく、赤い光は分散しにくいから」というのが端的な回答になるのではないでしょうか。
そもそも、太陽の光は「全ての色を含んだ白色光」です。これは、「光の三原色」からもわかる知識ですね。
太陽光は人の目に入る「可視光線」、波長の短い「紫外線」、波長の長い「赤外線」の3つに分けることが出来ます。青っぽい色からグラデーションの様に赤色に波長が長くなっていくわけです。

「光の波長」と聞くと嫌かもしれませんが、シンプルに「波」です。
「光や音も波なんだよ。」と習ったでしょう。
では、波長が短いとはどういう事でしょうか。海でイメージするなら、次々押し寄せてくる小さな波です。小さな波は海岸に来るまでに大きめの岩にぶつかりしぶきを立てています。
今度は、波長が長いという事をイメージしましょう。大きな津波は先ほどの岩を超える様にゆっくりと海岸に到達します。

イメージしたものを太陽光にあてはめましょう。
太陽光に含まれている青色は、大気中の様々な粒に当たって飛び散ります。
赤色は粒に当たってもさほど影響を受けずに私たちの目に到達します。
空の色が変わる理由の大枠はこのことです。
空が青いと感じる朝や昼間と赤くなる夕方や朝焼けの説明の残りは「太陽光が通る大気の厚み」です。

太陽光が大気を通り抜ける距離

 簡単に作った図ですが、一目瞭然ですね。
距離が長ければその間にある障害物は多くなるわけです。
なので、空の色が変わるのですね。


 というわけで、空の色の話しでした。
これを踏まえて、最後に一つ質問です。
 紫外線は波長が短い光です。日焼けの原因にもなり、刺激の強い光と言えます。では、「紫外線除菌」とうたった空間除菌用ランプに除菌効果はあるでしょうか?また、それは安全でしょうか?

  お相手は葛飾科学アソビProjectの実験ナビゲーター、リュウオウでした。
第2回でまたお会いしましょう。さようなら~

 

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