俺が若い頃はもっとやってたぞ!
今上司の立場にいるほとんどの人が部下や後輩に対して心の中でこう思っていると思いますが、これを言ってしまうと老害認定されてしまいます。
言い分としては「自分と同じことを人に求めるな」「時代が違う」「お前と同じくらいできる人はお前の下にはつかない」などです。
なのでほとんどの人は「俺が若い頃はもっとやってたぞ!」という気持ちはグッと押し殺して、自分よりできなくても仕事が回る「仕組み作り」を頑張ったり、違う価値観を認めたりと日々奮闘していると思います。
ここまでは既に議論され尽くされた普通の話だと思いますが、最近僕は逆に「俺が若い頃はもっとやってたぞ!」のノリはもっと出してもいいんじゃないかと思ってきました。
今日はそう思ったいくつかの理由を解説していきます。
妥協は連鎖する
最初に書いた通り「俺が若い頃はもっとやってたぞ!」が悪で「仕組み作り」とかを頑張る方が大切というのは正論だと思います。
実際に「仕組み作り」がちゃんとできていれば僕が部下や後輩に対して「この部分は自分よりもできなくてもしょうがないか」と妥協しても仕事はうまく回ります。
ただ、部下がさらにその部下に対して「この部分は自分よりもできなくてもしょうがないか」と妥協をしてしまうと僕から見た時に2段階妥協していることになります。
それでも「仕組み」がちゃんとできていれば仕事は回ります。
しかし、3段階4段階と妥協が積み重なってくるとどこかのタイミングで仕事が回らなくなってしまいます。
自分が一度してしまった妥協は長い年数をかけてじわじわと組織を蝕んでいきます。
勿論凄い「仕組み」を作るという解決方法もあるので「妥協」してしまったことと「仕組み」が作れなかったことはどちらが悪いかを決めることはできないですが、「妥協」は連鎖し続けるということは設計に入れておくべきだと思います。
できるやつは結局できる
冒頭でも話した通り、僕は見込みある部下や後輩に対しては「俺が若い頃はもっとやってたぞ!」のノリで接するようにしています。
例えば僕は「自分の労働力を3人月で計算しておけばいろんな事にチャレンジできる」という考え方を持っているのですが、先日それを部下に話したところすぐに実践して「今案件二つとこんなことやってます」と報告してきました。
勿論これができるのは少数派だと思いますが、できるやつは実際にいるのでこちらが勝手に妥協してしまうのは上司として先輩として相手の成長機会を奪ってしまっているかもしれないので一度考えた方が良いです。
逆に見込みあるなと思ってもダメなケースもありますが、可能性があると思った人には僕は自分と対等と思って妥協せずに接するようにしています。
時代に合わないことはしない方が良い
とはいえ「俺が若い頃」とは時代が違うし、進歩もしているのでやらなくて良い努力や工程は避けるようにした方が良いです。
例えば僕が新人の頃は週に5冊は技術書を読むと決めていましたが今は技術の勉強はネットでできたり、インフラだったら本を読んで勉強するよりも同じ時間と金額をAWSの調査費に当てた方が効率的な場合もあります。
検索エンジンの性能やAIが発達すればコードも簡単に拾えるようになるので細かいロジックや数式が書ける必要がなくなってくるかもしれません。
一方で今は求められるもののレベルが上がったから「俺の若い頃」よりもやらないといけない部分もあります。
そのため心苦しいですが、自分が若い頃にできてなかったことを棚に上げてでも、部下や後輩に求めなければいけないこともあります。
まとめ
一歩間違えると自分が「老害」になるというリスクをはらんでいるので取扱注意なのですが、本当にそれが相手のためになると思ったらやるべきだと僕は思います。
なんでもかんでも部下や後輩が自分よりもできない前提で設計するというのはあまりにも置きに行きすぎてる気がするので、せっかく決裁権を自分が持っているのであればチャレンジして理想のチームを作っても良いのかなと思います。
結果的にそうやって創り上げたチームの方がメンバーを愛せるし楽しくなると思います。
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