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【スペイン】バルセロナ・ガウディ建築を巡る、おすすめ観光スポット(後編)


間が開いてしまいましたが、バルセロナ旅行記の最終章を書きたいと思います。(ちょっと長めです。)
コロナウイルスが流行する前の2月末のことです。

「バルセロナ=サグラダファミリア=アントニ・ガウディ」ということくらいしか知らなかったのですが、今回の旅にあたり調べてみると、ガウディだけでは今の成功なかったであろう出会いがありました。

前に少しお話ししましたが、大メインのサグラダファミリアとグエル公園を最終日に残し、最終日の朝から体調が最悪で、せっかくの素敵な建築の写真が少なめです悲


今回訪れた「ガウディ建築」*全て世界遺産(文化遺産)です。

1. Casa Milà(カサ・ミラ)
2. Casa Batlló(カサ・バトリョ)
3. Parc Güell(グエル広場)
4. Palau Güell(グエル邸)
5. Sagrada Família(サグラダ・ファミリア)

1. Casa Milà(カサ・ミラ)

1984年ユネスコの世界遺産に登録された、現在でも4世帯が実際に住んでいるという集合住宅です。

ガウディが54歳の時に設計されました。

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グラシア通りを歩いていると、突如として現れるガウディ建築。

並んでいる建物と同じような色味ですが、特徴的なのは、直線部分を全く持たず、曲線のみで作られた建物だということ。

外観の波打つ曲線は地中海をイメージして作られたそうで、1つ1つのバルコニーもこだわって作られています。

建設当初は、当時の一般市民の月給の約10倍と、現代建築とは異なる斬新なデザインだったため、なかなか借りてが付かなかったとか。

「3世代家賃を上げない」との条件があり、今となっては約15万円でバルセロナを代表するガウディ建築に住んでいる方が。

毎日たくさんの観光客が来てしまいますが、羨ましいですね。立地もとても良い所にあります。


2. Casa Batlló(カサ・バトリョ)

2005年にユネスコ世界遺産に登録された建物で、1877年に建設されたものを、1904~1906年にかけてガウディが改築しました。

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この建物も曲線が印象的で、建物の外観に散りばめられた海のようなタイルのデザインや、窓に使われている〇を合わせた泡のようなステンドグラスが素敵です。

このタイルは、地元の会社から譲り受けた廃材を利用しているそうで、それがこのように生まれ変わるとは素晴らしいです。

先ほどのカサ・ミラもですが、「Casa(カサ)」とは、スペイン語で「家」という意味です。

ミラさんの家・バトリョさんの家となんともシンプルなネーミング。

このカサ・バトリョはサグラダ・ファミリアとは規模が違いますが、かなり多くの観光客で賑わっていました。

外観も素敵ですが、内部もガウディらしい自然をモチーフに作られていたり、自然光がたっぷりと入る設計になっているそうです。


3. Parc Güell(グエル公園)

最終日に、大メインにとっておいた「グエル公園」・「サグラダファミリア」へ。

しかし朝から腹痛・貧血に見舞われ、休み休みなんとか最初の目的地「グエル公園」へ。

グエル公園は、2013年から入場料10ユーロ(約1200円)がかかる有料ゾーンができました。(この入場料は年々上がっているそうです。)

無料ゾーンで楽しめば・・・とも思ったのですが、トカゲの噴水・お菓子の家・洗濯女の回廊など、メインの場所はみんなこの有料ゾーン。

しかし、チケットカウンターが設置される前の時間(夏場は8時、冬場は8時半)と閉園後はなんと無料で入れるとの情報が!この時間までに入れば、出る時間はいつでも大丈夫で、かつ有料時間と全く同じものが見られるので頑張ってしまいました。

尚、閉園後(夏場は21時半、冬場は20時半)は暗くなってしまうので、早朝がおすすめです。

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地下鉄を降りて、グエル公園に向かうまでに待っていたのは、たくさんの階段と坂・・・10分程歩くので、タクシーを使う手もあります。近くに停まるバスはなくなってしまい、チケットとセットの無料シャトルバスは運航しているそうです。

「バルセロナの景色が一望できる=高い所にある」ですよね。。

ちょっと迷ったり、小走りして、ギリギリ8時半に間に合いました。チケットカウンターを設置中でしたが、本当に無料で入ることができました。

グエル公園はイギリス風住宅庭園として設計され、かなり広く、有名な5つの見どころを回ってみました。早朝なので日中ほど混んではおらず、ゆっくり見れますし、写真なども撮りやすかったです。

見どころ①:お菓子の家

私は公園の裏から回るルートでしたが、中央エントランスから入ると、まず見えるのが「お菓子の家」です。

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このかわいい二つの建物は、ショップと守衛さんの待機所となっています。

「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の家をイメージして作られており、スペイン画家のダリミロも絶賛したそうです。

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当の私は、せっかくの素敵な広場なのに、座れるところを見つけては休む始末・・(ベンチなど座れるところはたくさんあります。)

見どころ②:トカゲの噴水

この階段を上ると見えてくるのが、タイル張りの大きなトカゲの噴水です。ドラゴンという説もあるそうです。

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ジブリアニメにも出てきそうなトカゲで、噴水というより、口からタラタラと水が出ています。

カラフルなモザイクタイルでとてもインパクトがあり、グエル公園の守り神ともいわれています。

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そのすぐ上あるオブジェは、ギリシャ神話に出てくるモーセを守った蛇「ネフシュタン」とギリシャ神話の中の「世界のヘソ」と言われているギリシャにある都市「デルフィ」を象徴した石です。

グエル公園には出資者の意向で、所々にギリシャ神話が取り入れられています。

見どころ③:ホール(市場)

先ほどのトカゲの噴水のある階段を上ると、広いホールに辿り着きます。

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ギリシャ・ドーリア式の柱86本で屋根が支えられており、この円柱の下は貯水槽です。

上の大広場の雨水を貯める仕組みだそうで、デザインと実用性を兼ね備えた作りになっています。

このホールは市場を予定して設計されていたそうですが、現在市場は行われておりません。

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現在工事中ですが、天井は無数のドーム状になっており、カラフルなモザイクタイルが施されていて、とても綺麗です。

こちらはガウディの弟子である「ジョセップ・マリア・ジュジョール」によって制作されました。”四季を表している”や”太陽を表している”など諸説あります。

見どころ④:大広場とベンチ

先ほどのホールからまた階段を上ると、最上階の大広場に出ます。

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ここは住民たちの憩いの場になる予定だった場所で、全長110メートルある、くねくねと曲がった長ーいベンチが周りを囲んでいます。

カラフルなモザイクタイルの素敵なベンチだったのですが、写真が撮れていなくて残念泣

このベンチも、先ほどお話したガウディの弟子「ジョセップ・マリア・ジュジョール」によるものです。

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大広場からの眺めです。先ほどのお菓子の家やバルセロナの街が一望できます。

遠く、左奥にサグラダファミリアも見えています。(三角の尖った塔2つの間に建設中の塔)

見どころ⑤:洗濯女の回廊

大広場から続く階段を下っていくと、「洗濯女の回廊」に辿り着きます。

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なぜ「洗濯女」かというと、柱のひとつが、洗濯かごを持つ女性像になっているのです。

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この洗濯女もギリシャ神話から来ているのではないかと言われています。

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回廊の下は、波のような、かなりカーブのある曲線を、石を使った絶妙な作りとなっています。

工事の際に出た石を再利用して作られています。

セレブ向けのイギリス風庭園住宅として造られましたが、当時は公共交通機関も発達していなく、家も3軒しか作られず、この計画は1914年に断念されました。

その後バルセロナ市により管理されるようになり、1984年には世界遺産として登録されています。


4. Palau Güell(グエル邸)

先ほどの「グエル公園」といい「グエル」って何?誰?と思われたかと。

そして、そのグエルガウディの出会いが無ければ、今こうしてガウディ建築を見れなかったかもしれません。

グエルとガウディ

1878年、ガウディはパリ万国博覧会に出展するクメーリャ手袋店のためにショーケースをデザインしました。

この作品を通じてガウディの才能を見初めたのが、繊維会社をはじめ、タバコ会社、銀行などを経営する実業家のエウゼビ・グエルでした(後に伯爵となります)。

その後グエル邸コロニア・グエル教会地下聖堂グエル公園などの設計を依頼されます。

そのグエル邸は、バルセロナのメインの通り「ランブランス通り」の程近くにあります。

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小道にあるので、下から撮っても、全貌を写すことができませんでした。

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向かい側にあるのは「ホテル・ガウディ」笑

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正面玄関の鉄格子には、グエルのイニシャル「G」をモチーフにした飾り(右側の王冠のようなもの)が付けられています。中央は鷹の装飾です。

この扉は、外から中を見ることはできないのですが、中からは外が見られる仕掛けになっているそうです。鉄格子の扉自体も、当時のスペインでは珍しい物でした。

約500平方メートルの土地に建つ、地下1階・地上4階の住居の中は、豪華かつ生活しやすい設計となっています。

6. Sagrada Família(サグラダ・ファミリア)

やってきました、大メインの「サグラダ・ファミリア」!

いつかは実物を見てみたいと思っていて、やっと来ることができました!

その前に・・・

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サグラダ・ファミリアが見える公園で・・・

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完全にダウン泣
1時間以上は、このベンチで近くて遠いサグラダ・ファミリアを見ていました。

「サグラダ・ファミリア」とは

1882年に着工されてから、今だに完成していないカトリック教会で、ガウディが人生を捧げた建築です。

あまりに大きく、当時資金調達が難行したため、ガウディが30代の頃から亡くなるまでに完成したのは、地下聖堂と生誕のファサードのみでした。

彼が残した資料を基に建設が続いており、300年かかると言われていた完成でしたが、技術の進歩拝観料による資金調達が順調になり、半分の工期の150年で完成することになりました。

ガウディ没後100年になる、2026年に完成するとのことで、私が生きているうちには完成しないと思っていましたが、あと6年で完成することになりました!

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現在も急ピッチで工事が進んでおり、6年後にはさらに大きく立派になる計画です。

現在完成済みの門は、「受難のファサード」「生誕のファサード」の2つですが、さらにもう一つ「栄光のファサード」が追加されます。

また現在の塔(鐘楼)の数は8本なのですが18本になり、一番高い塔は170メートルと、今よりもさらに高く(約1.5倍!)なるのです。

現在でも遠くからでもその大きさに圧倒され、さらに大きくなるとは!

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鐘楼の先にはピナクルと呼ばれる飾りが付けられており、司教の冠・つえ・指輪などをモチーフにしているそうです。

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こちらには、ぶどう・バナナ・オレンジなどのモチーフが付けられています。

自然を愛したガウディは、自然のモチーフを取り入れたり、設計も自然光を最大限に活かす工夫がされています。

今回は体調や時間の関係で、中には入れなかったのですが、森をイメージした聖堂は木漏れ日が差す森のようだと写真を見ていて思いました。

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↑道路を挟んで反対側にあるガウディ広場は絶好の撮影スポット!
全体が見渡せます。

ガウディの資料を基にと言いましたが、詳細な設計図をひかず、アシスタントたちがその日に作業内容や模型を作って考えていたとのこと。

また死後に残された資料や模型も、戦争で燃えてしまったこともあり、工事が難行している理由の一つです。

この今まで見たことのない、巨大な建物の設計図はガウディの頭の中だったということですね。

大きさにも圧倒されますが、門などに施されている彫刻の繊細さも圧巻です。

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サグラダ・ファミリアの入場チケットは、当日でも購入することができます。

繁忙期でなかったので、15分後に入れるチケットも販売していました。

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オンラインでも購入できるので、日時が決まっている場合は購入しておくと安心ですね。

素晴らしい作品たちを残してくれたガウディですが、ミサに向かう途中、眼鏡を忘れ段差につまづき転倒、そこに通った路面電車に轢かれてしまいます。73歳でした。

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サグラダ・ファミリアのライトアップ。昼間とはまた違った顔で、その大きさ・存在に鳥肌が立ちました。

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この通りで、サグラダ・ファミリアを見ながら、夕食を楽しむ人も。何とも贅沢な、素晴らしいロケーションです。


世界にはたくさんの素晴らしい建築がありますが、ガウディは想像を超えた新しいアイディアの建築をたくさんバルセロナに残しました。

またグエルとの出会いが無ければ、今バルセロナにはサグラダ・ファミリアは無かったかも、そしてカタルーニャ自治州がスペイン独立を望むことも無かったのかも・・と今なお繋がっている歴史を感じました。


またいつか、完成後のサグラダファミリアを見に、バルセロナを訪れることができたらいいなと思っています。


かなりの長文になってしまいましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました!


動画では、ほぼ体調が悪く、元気のない姿や声が小さく申し訳ない感じですが、見ていただけたら嬉しいです。



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