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【オランダ】オランダの教育・学校|5姉妹のパパ・村上さんに聞いてみました!


前回の記事で、ソファーを運ぶ際にお世話になった、日本人ドライバーサービスの村上さん。

村上さんは、2016年の10月に移住し、現在5人のお子さんがいらっしゃいます。

移動の間、「オランダの教育・学校」などについて、色々とお伺いしてみました。

村上さんにお伺いしたことと、少し補足させていただいています。

なぜオランダ移住をしましたか?

移住した一番の目的は、子供の「教育」の為です。
日本の小学校の授業参観に行った時、30〜40年前の教育と変わっていないことが不安になり、オランダで教育を受けさせたいと思いました。

オランダの小学校はいかがですか?

オランダの小学校教育はとても良いと感じています。
子供たちもとても楽しそうです。

小学校ではどのような教育が行われていますか?

異年齢でグループを作り、低学年(4〜6歳)・中学年(6〜9歳)・高学年(9〜12歳)で分かれています。

各グループで、年少・年中・年長を経験することにより、「教える」ことと「教えられる」ことを学びます。

自分の意見を主張する力・答えのないことを考える力を付ける教育。
その子のペースで、その子の興味のあることを突き詰めていく事ができる環境です。

オランダの学校の特徴は?

オランダは多民族国家で、200以上の人種の人たちが共存している国です。
学校にも、肌・髪・目の色が違ったり、言語、宗教などが異なる生徒が通っています。

オランダの小学校の授業はどう行われていますか?

異年齢のグループに分かれて、課題に取り組みます。
先生が前に出て教えることはほぼありません。

「答えを学ぶ」のではなく、「学び方を学ぶ」ことを目的としています。

オランダの先生はどうですか?

オランダでは、先生になる為の訓練学校に行き、先生になる事ができます。

日本の先生が「Teaching(教える)」に対して、オランダの先生は「Coaching(良いところを伸ばしてあげる)」です。

先生と生徒は、教える人と教えられる人ではなく、人と人として対等な関係を作ります。

学校によって教育方針は異なりますか?

オランダは「教育の自由」が認められており、設立の自由・理念の自由・方法の自由があります。

設立の自由は、200人以上集まれば学校が作れます。

また理念の自由・方法の自由があるので、学校によって異なる理念があり、教材も各学校で選択する事ができます。

学区の制度がないので、いいと思う学校に通う事ができ、合わないと感じたら転校も自由です。


宿題が無いと聞いた事があるのですが、本当ですか?

本当に無いです。

コロナで学校が閉鎖になり、オンライン授業が1日おきだったので、その時は宿題のようなものはありました。

高学年になるとあるかもしれませんが、やるのもやらないのも自己判断です。
やったら理解は深まりますが、やらない事で点数が下がったりはしません。

イエナプランを取り入れている学校ですか?

子供たちが通っている学校は、イエナプランを徹底した学校ではありませんが、一部取り入れられています。

例えば、「サークル対話」と呼ばれているもので、グループみんなで輪になって、昨日の出来事などを発表します。
サークル対話をする事で、自分の意見を整理したり、異なった意見を受け入れる、つまり相手を尊重し、認め合うことに繋がります。

イエナプランとは?

イエナプランとは、1920年代にドイツのイエナ大学発祥の教育方法です。ドイツでは、戦争などにより広まりませんでしたが、1960年代以降、オランダで積極的に取り入れられている教育方法です。

現在、イエナプランを含むシュタイナー教育・モンテッソーリ教育などのオルタナティブ教育(非伝統的教育)を行う学校は全体の10%、イエナプランの学校は3%(約180〜200校)と言われています。

イエナプランは、社会の中で自分の意見を持ち、個性を伸ばす教育と言われています。

*イエナプランについては、長くなりそうなので、また別で書きたいと思います。


子ども手当や補償はありますか?

子ども手当・補償は手厚いです。
また、子供の教育費は義務教育は無料です。(公立・私立共に無料)
医療費も子供は無料です。

オランダは子育てしやすい環境が整っていると思います。


ここまで聞いていると、「なんて自由でいい国・良い教育なんだ」と思うかもしれませんが、大人になった時のことを考えると日本の教育も体験してほしいと村上さんは考えています。

オランダ人ができていない訳ではないですが、ルールを守る事・責任を負う事・相手を重んじる事を教わるのも大切だなと思います。


そしてお子さんは、家では日本語を話し、日本のYoutubeを観たり、日本のアニメも大好きです。

日本の女子学生のような、同じ制服を着て、学校の帰りにプリクラを撮ったり、マクドナルドに行ったりする生活に憧れもあります。

その選択ができるならと、村上さんは高校の3年間はおじいちゃん・おばあちゃんの家から日本の高校に通わせてあげたいと考えています。


親は日本で育って、日本の文化で育ち、オランダの文化も知る事ができていますが、子供たちはほぼオランダで過ごしています。

できるなら両方の国のことを知って、選択肢を広げてあげたいというのが、村上さんの考える今後の教育方針だそうです。

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オランダの教育では、たくさん知っている大人になることではなく、幸せな大人になることを目的とされています。

勉強をして、良い学校に入り、良い会社に入ることが幸せではなく、自分にとって幸せだと感じることです。


オランダの子供の幸福度は世界1位、国としての幸福度は世界第6位です。

なぜ子供が幸福だと感じているのかの答えの一つが、この小さい頃の教育にあるのではないかと思いました。


「自分の意見を主張し、相手の意見を聞くこと」「違いを受け入れること」「学び方を学ぶこと」は、大人の社会の縮図でもあります。


それを肌で感じ、お互いを尊重し、自分が認められることで、子供も幸せだと感じるのではないでしょうか。

Youtube動画は、こちらからご覧いただけます。


最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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