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なぜ「結論」から話すの?

なぜ「結論」から話さなければならないの?

結論から言います。
「結論から話すと、物事がシンプルに明確になるから」です。
シンプルである、つまり「短時間で相手に必要なことを伝えられる」からというのが、結論から話す理由です。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

・・・とここで終わっても良いのですが、なぜ「結論から話す」ということがあちこちで言われるのでしょうか。ビジネス書でも、結論から話すことは「コミュニケーションの鉄則」として紹介されています。

ロングセラーとなっている「コンサル一年目が学ぶこと」では、第一章の01という、一番最初の項目が「結論から話す」というタイトルです。

まんがでわかる! 頭のいい説明「すぐできる」コツという書籍でも、1章の表題は「わかりやすい説明」は結論から始まる です。

このように、数多の書籍でも「結論から話す」のが良いとされているのはどうしてなのか、私の過去の苦い経験をご紹介しながら考えてみたいと思います。

カツオも結論から話せない人でした

「キミの説明はよくわからない。結論は何?」
と若手の時、上司によく言われました。

割と話すのが得意だと思っていた私は、めちゃくちゃヘコみました。

経緯から話さないと、結論に至った道筋がわからないから、丁寧に説明していくことこそが相手への敬意だと感じていた私は、「簡潔に結論を言え」と言われて、面食らいました。

当時の上司は「結論から話す」ことの重要性を次のように説明してくれました。
「忙しい相手の時間を自分のために取ってもらうのだから、できるだけ短い時間で用件を済ませるのが、思いやりのあるビジネスマンの振る舞いだ」

なるほど、敬意を示すために経緯を話すのではなく、経緯をすっとばして結論から話すことがビジネスマンの敬意の示し方なんだな、とそのときは思ったのです。
しかし、なかなか結論から話せるようにはなりませんでした。
思うようにコミュニケーションが取れないということは、そのまま人間関係に跳ね返ってきます。居心地の悪さを感じる、しんどい日々が続きました。

結論から言うと、現在は「結論から話せる」ようになりました。
そのコツは、話し始める時に「結論から言うと」をつけることでした。

結論から話すのが、なぜできないのか

私の「結論から言うと」をつけて説明するトレーニングは、コンサルタントをしている友人から教わったものですが、習慣になるまではだいぶかかりました。今でも、気を抜くと、経緯から懇切丁寧に話してしまうクセが顔を出します。

Books&Appsの安達 裕哉さんは、次の記事で「結論から話せないシチュエーション」と、「話せるようになるためのトレーニング法」を事例に基づいて解説されていて、とても面白いなと思いました。

クセにならないと、結論から言えない

安達さんの言葉をお借りすると、「クセにならないと、結論から言えない」ということなんですよね。
つまり、性格や才能に関係するのではなく、トレーニング次第で何とかなるということ。
「自分は説明が下手」「上司から言っていることがわからないと言われた」と落ち込んでいた若いころの自分に教えてあげたい内容です。

さらに、話し手(言う側)と聞き手(受ける側)の関係性も重要、と安達さんは言います。

したがって、「言う側」は率直に言うように心がけ、「受ける側」は「怒ったり怒鳴ったりしない」という状況を作り出せねばならない。
したがってこれは、双方の努力でいわゆる、「心理的安全性」がどこまで作れるかという話と、ほぼ同じである。
そこで、マネジャーの立場で報告を受けるときは、とにかく「相手を怖がらせない」ことに、全力を注いだ。

出典:なぜ「結論から話す」が、なかなかできないのか、観察したら、理由が分かった。

私の上司は威厳のあるベテランの方でしたので、報告するだけでも緊張してしまい、慣れないうちはアワアワしていました。
そのような状況で、「悪い報告について、結論から話す」なんてことは、ビビりの私にはできない芸当でした。
何度も叱られ、指導を受け、面談でも「もっとわかりやすく話せ。結論は何なのか。演繹(経緯→結論の順に説明)と帰納(結論→経緯の順に説明)の違いについて学んでおけ」と指導を受けていました。評価はさんざんでしたので、「説明する」ことに対する私の劣等感は、相当大きなものでした。

「わかりやすい説明の仕方」といった類の本を読んでもピンと来ず、どうしたらいいのだろう・・・と途方に暮れていました。

そんなとき、コンサルタントをしている友人に悩みを打ち明けたところ、「結論から話せるようになれば良いんだったら、何を言う時にも『結論から言うと』と付けたらいいよ。付けていても、結論から言えてないときは、周りの人や自分でも気づくから」
と教えてくれました。

まさに、安達さんが上記の記事内で紹介されている事例のような状況が起こるので、自然にクセづけて、体得することができました。

「結論から言うと」と言ったのに、結論から言っていない場合、本人が「あ、すいません!私、結論から言ってないですよね。」と、自分で気づく。

出典:なぜ「結論から話す」が、なかなかできないのか、観察したら、理由が分かった。

結論から言うスキルを身につけておいてから、あえて「経緯から話す」ようにすると、結論に導く道筋を考えた状態で説明ができるので、実は結果的にわかりやすく話せるようになります。
身の上相談を受けた時に、自分の経験談を話すときなどは、結論から言わない方が良い場合もあるので、ケースバイケースで使い分けることができれば、相手に合わせて最も効果的な説明ができるようになると思います。

説明が苦手だ、と悩む前に、一度試してみてはいかがでしょうか。
・・・と、若いころの自分に紹介してあげたい気分です。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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