意外とバスは追い越せる。
隣人と友人と3人でIKEAに行った。
電車からバスに乗り換え、最後列に座って悠々と「旅のようだね〜」なんて言っていると、10分くらい経ってIKEAと反対方面行きのバスだと気づいた。
焦って下車する。すると矢継ぎ早に、反対車線から正しいIKEA方面行きのバスがやって来た。
急げ、あれに乗るぞ!
…
目の前で出発するバス。降りてきたお母さんが「あらま〜残念だわね!」と哀れんでくれた。哀れみつつ少し嬉しそうだったので、その日の食卓で会話の肴になっただろう。
隣人と友人は悲しんだ。
だが、一閃。
走り去ったバスの車道が、やや混んでいた。
バスに走り去られても、追い抜かせばいい。
そんなバカな考えがよぎったので、
「追い抜かすぞ!」と3人でダッシュした。
青信号。早く赤になれ、ならねばならぬと念じる。
赤信号。ボーナスタイムのような感覚で足が捗る。
何分走ったかも覚えていないけれど、
意外とバスは追い越せる。追い越せないのは先入観だ。
ぜぇぜぇ息切れした社会人3人が、えらく嬉しそうにバスに乗った。
後日、同じ友人に荷物を届けるために、隣人と全力ダッシュした。
この街は、走れば生きていけるのかもしれない。
(IKEAは息切れするほど広いと知りました。)
ポカリスエットを買います。銭湯に入ります。元気になって、写真を撮ります。たくさん汗をかいて、ほっと笑顔になれる経験をみなさんと共有したいと思います。