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「どうして日本の市町村を全て回ろうと思ったんですか?」

写真展に在廊して、一番多いご質問。

確かに、わたしも逆の立場で会場へやって来て、「本当に、お前が、原付で、日本を、巡ったのか…?」と言わんばかりの華奢な旅人っぽくない作者が、目の前に立っていたら、「なんで君旅したねん。」と同じことを聞きたくなります。

「日本のことを知らないという気持ちが、一番の動機です」

無難に、いつも、上のようにお答えしています。

が、それは、もちろんそうなのですが、本当は今でもよく自問自答するんですよね。「なんで回ろうと思ったんだろう」「どうして回れたのだろう」の2つ。

「なんで回ろう」の中には、上の気持ちと合わせて、人間らしい欲といいますか、「他に誰もやったことがないんじゃないか?」という気持ちがありました。調べたら、かつて市町村を巡ったことのある人はいたのですが、少なからず、大学生でやったことのある人は誰もいなかった。だから「道なき道」を進んでみたいと。進めるのかと。

「どうして回れた」は、不思議なんです。学生で同じことをしたい方がいたら、お金が十分にあるか、時間が相当ある方じゃないと、やっぱり難しい気がして。自分はお金がどうしようもなくて、クラウドファンディングをさせてもらいましたし、最後は卒論書きながら巡っていましたし、運がよかったと常々思います。でも、一つ結論付けるなら、

元メジャーリーガー・上原浩治さんの「なるようになる」という言葉が好きでして、そこにヒントがある気がしています。上原さん「なるようになる」には過程があって、「なるようになる」と言えるまで、この段階へたどり着くまでの過程の方が大切だと仰っていて、その意味がとてもしっくりくるのです。わたしの旅は、やることをやって、なるようになるのかと。

つまり、「どうして日本の市町村を巡ったのか?」は自分の問いに対する一つの答え合わせでもありました。つまりつまり、この先の人生、なるようになれるまで、わたしは努力しなければなりません。たどり着きたい自分の気持ちと、その道を進む気持ちを持って。

展示は今日含めてあと4日、ご来場お待ちしております。

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(会期の前半、久しぶりにお会いしたご夫婦と。)

ポカリスエットを買います。銭湯に入ります。元気になって、写真を撮ります。たくさん汗をかいて、ほっと笑顔になれる経験をみなさんと共有したいと思います。