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終わらない旅

すべての市町村を回りたい、はじめてそう思った日、旅が終わる時のことなど考えられませんでした。一寸先は闇、というより、”一寸先とは”、のような。

何もわからない。と思いつつ空を眺めれば、雲が流れています。形を変えながら、たまに雨粒なんてつくりながら、彼らも人生を全うしていたのでしょう。とにかく、雲は動いている、少しずつ。同じように、わからないなりに、わたしも旅をしてきたのかな。

渋谷PARCOで開催させていただいた、写真展「1741のふるさと」が昨日終了しました。ほぼ日のみなさまに準備から運営までお世話になり、テレビやラジオでもご紹介いただき、昨今の難しい社会情勢の中、幅広いご年代の方に会場へ足を運んでいただきました。はじめてお会いする方、10年ぶりにあった友人、遠い旅先で出会った方、いろんな方との出会いに溢れた10日間でした。

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旅から8ヶ月経ちましたが、国内の市町村を通して、みなさんに日本を、ふるさとを感じていただけたことは、本当に幸せなことだと心から感じています。里帰りが難しい方、旅が好きな方、ひとつの場に集まったみなさんの思いを、はじめて直接知りました。会場の都道府県別に分けられたノートは、すべての都道府県が埋まりました。東京は、東京であり、日本であり、東京だけではないと。

お世話になったすべてのみなさんからいただいたこの10日間は、心の宝物です。本当に、みなさまありがとうございました。

市町村一周の旅は、ここで終わりです。わたしは、今を生きなければなりません。今感じている気持ちは、旅をはじめようと思った、あの日と似ています。これからのこと、どんな形の雲になって、どの方角へ流れていくのだろう。あの日のように、わかりませんが、自分で走って、汗をかいて、心臓の鼓動を聴いて、とにかく今日を生きるのです。

終わらない旅が、昨日からはじまりました。

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(びゅーんと、都内を原付で走るのもいいですよね。)

ポカリスエットを買います。銭湯に入ります。元気になって、写真を撮ります。たくさん汗をかいて、ほっと笑顔になれる経験をみなさんと共有したいと思います。