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七五三の衣装を前に思い出すあの日のこと

ふと思い出したので備忘録として。

昨日、長女の入学祝と七五三(超早割り!の言葉に踊らされた)の写真を撮影してきた。巧みな着付けと話術で、滞りなく終了。「大きくなったな」としみじみした。

それはさておき、だれしも、恩師の忘れられない「言葉」とか「所作」があると思う。
私は、七五三の時期になると、2013年の春を思い出す。

私は当時、東京都の保育園に勤めていた。
その時の園長先生のある場面の「所作」を、今でも覚えている。
確か、4月か5月の暖かい日だった。卒園した女の子が、それはそれは綺麗で華やかな着物姿で園を訪ねてきてくれた。七五三の写真撮影の帰りで、ひとめ見せたいと、わざわざ寄り道してくれたのだ。

保育中ではあったが、職員が次々と現れ、「おめでとう」と声をかけた。
当時の園長も、事務仕事もそこそこに、玄関に出て声をかけていた。

「おめでとう、Aちゃん。」とAちゃんの目を見て園長が言った。
「ありがとう」Aちゃんも嬉しそう。

「どんなお気持ち?」と園長が訊くと
「んー、うれしい」と照れながらも、堂々と応えたAちゃん。

このやりとりを傍でみていたのだが、感銘を受けたことを今でも覚えている。
その園長がAちゃんに「どんなお気持ち?」と訊く時の、腰をかがめたその姿勢と、まなざし(目線でなく敢えて「まなざし」と書きたい)の送り方。声の柔らかさ。その所作すべてに、心の在りようを感じた。

私は保育者として、立ち振る舞いや所作、一つ一つの言葉によって心の在りようを示せているだろうか。

七五三を終えて、そんなことを考えていた。


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