古澤勝彦

保育者。

古澤勝彦

保育者。

最近の記事

そうくんのこと

そうくんが卒園した。 我が家の次女と同じクラスに在籍しているそうくんは、まだ言葉を使って会話をすることができない。でもオウム返しではコミュニケーションをとることができるし、みんなと一緒にできないだけで走って遊ぶことも好きだ。 次女の保育園の行事に行くと、そうくんは保護者に手を取られながら参加していて、運動会のリレーはお父さんと一緒に走っていた。それほど楽しげではないものの、その場を穏やかにやり過ごしている姿が印象的だ。その姿をみて、ぼくは自閉症だろうと思った。ぼくはそんな

    • なにもしない、は難しい

      MちゃんとNちゃんが部屋に置いてあった木の重たいパーテーションを引っ張り合っている。 ふたりとも「つかってたの!」と言いながらだから、おそらく所有権で争っているのだろうか。それ、仕切りで置いてるから個人所有はちょっとなぁと思いながら二人の様子をみていた。 Mはクラスでもぐいぐい引っ張っていくタイプで、Nは誰にでも物怖じしないタイプ。大きな重たいパーテーションをよくそんな引っ張り合おうと思うよなぁと思ったけど、あまり触れずにいようと近くで見ていた。「あらー、ちょっとちょっと。

      • 七五三の衣装を前に思い出すあの日のこと

        ふと思い出したので備忘録として。 昨日、長女の入学祝と七五三(超早割り!の言葉に踊らされた)の写真を撮影してきた。巧みな着付けと話術で、滞りなく終了。「大きくなったな」としみじみした。 それはさておき、だれしも、恩師の忘れられない「言葉」とか「所作」があると思う。 私は、七五三の時期になると、2013年の春を思い出す。 私は当時、東京都の保育園に勤めていた。 その時の園長先生のある場面の「所作」を、今でも覚えている。 確か、4月か5月の暖かい日だった。卒園した女の子が、

        • 春、からのこと

          今の職場を退職し、春から新たな場所で働くことになった。 この3年間、様々な場所や人から学びを得て、保育を考えてきた。 ただ、ずっとどこかで「じゃあ、それで?あんたは何ができるの?ねぇ?」と、僕ではない僕が問いかけてきた。 勉強会やセミナーなどで、保育実践を嬉々と語る保育者に嫉妬した。 春からは、その嫉妬に、自分なりに応えていきたい。 また、来週は大学院の試験を控えている。 これもまた、自分への応答である。 自分、自分、自分。 あぁ、自分に出会うことは怖いな。 子ども

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