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2022/06 もじのつどい


は頭 吸い込む空気 喉に石 手放すことば 合わぬ眼差し ありがとう(4/11)
 
6/1
はじめてわたしはそこに立つ 思いもしなかったなんてことはないけど はじめてわたしはそこに立つ はじめてしまえば雨のごとく山のごとく 水平線にそう鼻歌のごとく はじめてわたしはそこに立つ
 
6/2
新しくない新しいを垂れ流し あなたらしいと鼻たらし
 
6/3
たえず見つめるのは先の方 後にも先にも先の方 過去の今現在の先の方
 
6/4
まず言いたいことはなく ただ日々増すなにかをただ諭す さめた顔して文字をうつ
 
6/5
すましたような顔 熱の穴ぐら もしくは遥か 耳を当てるのはわたしだけ
 
6/6
いごいごうごく まだ聞こえない声がなみなみ
 
6/7
こころここにあらず さがしてもみあたらず ここにあらわれず さがすところかまわず
 
6/8
むきふむきはしらんぷり あたまかくしておしりぷりぷり ひざはがくがく おどるかんかく
 
6/9
空気の底でさかさの景色 照る天井で弾けるわたし
 
6/10
うごく言葉を探してる 時を止めない文字を追ってる 見当たらないからやっている
 
6/11
きずきずきずきずききづききずききず
 
6/12
のぞもうとものぞまざるとも きたりさったりする波に正直 いんちきしない声に漂う
 
6/13
どこ探しても どこにもないな あなたの名前
 
6/14
にじみでている色は香る 地味で気高く撫でれば毛羽立つ
 
6/15
いったいわないをもういわない たわわなうつつがみのらない
 
6/16
したたるうつろでうつつがゆがむ 何食わぬ顔でそれをしがむ
 
6/17
手に触れた声でゆるむ頬 よろしくどうもとさする胎
 
6/18
ばかにされたようにきこえたらばかにされたようにきいておこう またなにかつくろう 
 
6/19
なにがしたいのか肚の底からまことに分からず 向こう岸など目に見えず ただ毎日にもじを集わす なにかないかともがいてみても 見渡す限りになにもなく なにもないなと文字をつどわす
 
6/20
すみずみにすみ すみずみにしみ しみじみとたち みずみずしくすわる
 
6/21
ここに開かれた海 足をつける 遠くの舟や島々がつながり生み出すうつつの実 風が連れていくいらぬよこしま
 
6/22
飛んだまねして散った羽根 見慣れた夕暮れに敷いた土手 光を背にして知った影
 
6/23
ばれてもばれなくてもばらばら 野花の香り 声の色 はこぶ視線とたずねる時間 ばれてもばれなくてもばらばら ばら ば ら
 
6/24
あらためましてへらしてましてへらしてましてくりかえしてうつつうつろふつうふつふつわくうつつ
 
6/25
わいてでる わいてでる わいてでる わいてでる わいてでる わいてでる
 
6/26
脱いだ服のかたち 昼間の気持ち 青い風にのる 乾かぬうちに
 
6/27
まどろみ 片肘ついて歩く 窓のふち
 
6/28
ないものねだりの言葉だけ耳の底に残っていた 視線は宙で指先が探る 感覚が感情と話す 
 
6/29
残念はわたしが知らなかっただけ 知っていても分かってなかっただけ 分かっていても変わってなかっただけ
 
6/30
染み入る夏のつま先ほうり投げ どうなるんだろうな青い空

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