ライバーは確定申告すると税金が還付される！？源泉徴収と確定申告の関係

このnoteは税理士がライバーの方々に向けて、税金に関する「分からない」を解決することを目的としています。

今回はライブ配信の収入が振り込まれた際に差し引かれる源泉徴収税額と確定申告の関係について解説します。

源泉徴収税額とは

一定の収入を受取る際に所得税が差引かれることがあり、差引かれた所得税を源泉徴収税額といいます。
源泉徴収税額は、あくまで所得税の前払いのため確定申告の際に計算された所得税から差し引かれます。

17LIVEやPocochaなどライブ配信の収入を受け取った際に報酬の明細が届くと思います。
明細では報酬総額から源泉徴収税額（若しくは源泉所得税）が差引かれています。この差引かれた源泉徴収税額部分が所得税の前払いです。
そして、確定申告の際に計算した所得税額から源泉徴収税額（前払）を差し引くことで納付税額が計算されます。

この時、確定申告で計算された所得税額より源泉徴収税額（前払）の方が多い場合は、納付しすぎた部分の税金が還付されるのです。

還付される場合の具体例

源泉徴収税額として差引かれる所得税は報酬総額（税抜）の10.21％です。報酬総額が100万円を超える場合はその超えた部分に対して20.42%が差し引かれます。

年間売上600万円（月50万円）の場合の例を見てみましょう。

＜前提＞
収入：600万円
経費：50万円
控除：113万円（青色申告控除、基礎控除）
源泉徴収税額：600万円×10.21％＝612,600円

この場合、収入600万円－経費50万円－所得控除113万円 = 課税所得 437万円となります。課税所得とは算式の通り、収入から経費などを控除した後の課税される所得のことを言い、課税所得に税率を掛けることで税額が算定されます。

税額を計算する際は、課税所得を下記の速算表に当てはめて計算します。
上記の場合は、課税所得437万円が税率20％の範囲にあるため、課税所得437万円×税額20％ー控除額42.75万円＝446,500円が所得税額となります。

この算定された446,500円の税額と源泉徴収税額612,600円を比較すると税金を納めすぎたことになります。

したがって、所得税446,500円ー源泉徴収税額612,600円＝△166,100円が納めすぎた税金として確定申告により還付されることになります。なお、確定申告で税金が還付されることを還付申告といいます。
仮に源泉徴収税額が400,000円だった場合は、所得税所得税446,500円ー源泉徴収税額400,000円＝46,500円を確定申告により納めることとなります。

還付申告は通常の確定申告の期限とは異なり、翌年1月1日から申告が可能で申告可能になった日から数えて5年以内であれば、いつでも還付申告をすることができます。

緑色部分が還付申告可能期間です。

まとめ

１．ライバーの収入から差引かれる源泉所得税は所得税の前払い
２．計算された所得税額から源泉徴収税額が差引かれる
３．計算された所得税より源泉所得税の方が多い場合は還付される
４．還付申告は５年間可能

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弓田会計事務所

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