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闇子の光

ずっとずっと闇の底、な〜んにも見えない

、真っ暗、真っ暗、底の闇。


声が、聴こえる。そう、そうだあのコの眩い声。


あたしは、闇子。

真っ暗闇の世界に、たった一人で、住んでるの。くら〜いくら〜い、周りにはな〜んにもない。あたしは、いつもヒトリボッチ、だと思っていた。


けど、あのコがやってきた、あのコの眩い声、ひかり、、?ひかりこ、光子!そうだヒカリコと言っていた。真っ暗闇の闇の底の底の闇。あたしがいるとこまで、その眩い声が届いてきたの。


だから、あたしは·········。



わたしは、光子。

そうね、わたしは、美人で可愛いのよ、だから、いつも笑ってるよ。美人で、可愛い子は笑いなさいだって。お父様の前でも、お母様の前でも、お兄様の前だって、学校の先生やお友達の前でもな〜んにも楽しくないのに笑ってるの、ねえ?わたし、わたしは何がそんなに楽しいの?


わたしが見つけた、わたしだけしか知らない秘密の場所、森のずっとずっと奥にある大きな井戸!その周りには、見たこともないぴかぴか光る綺麗なお花が沢山咲いているの。


わたしは、いつもここに来ると、歌を歌いたくなって、歌うんだ。だ〜れもいない、わたしヒトリだけの世界。ほんとの自分を取り戻すように。


ねえ?


ほんとの自分てだ〜れ?



わからない、わからないよ。

わたしが笑えば、みんな機嫌がよくなるの、わたしの言う事なんでも聞いてくれるの、だから、な〜んでもお願いするの。『お小遣いちょーだい、それ可愛いね、わたしにちょうだい、お手伝いなんかしたくない!お勉強なんかしたくない!』ワガママだって言いたい放題。みんな、なんでも聞いてくれるの。最初は、嬉しかったよ、ほんとよ。

けどね、な〜んか寂しいの。



だから、わたしは一人になるの。



あたしは闇子、見つけた見つけた、眩い光を。だからあたしは、あなたに会いにいく。

あなたは、どんな顔してる?

目は、鼻は、口は、あなたに、会いたいな。



『♪♪♪♪♪♪♪』


闇子『あ、あの歌だ、今日も来た。ヒカリコ』


ヒカリコ『あ〜あ、今日もみ〜んながわたしを褒めてくれたわ。けどね、なんだか、みんなの顔がのっぺらぼうに見えちゃうの、みんなみんな、のっぺらぼう。』


『♪♪♪♪♪、わたしってどんな顔?』


闇子『ばーっ!!!』


ヒカリコ『えっ!?わー、井戸から!?、女のコ!』


闇子『わーい!驚いた!、驚いた?』


ヒカリコ『びっくり!あ、あなたは、だーれ?』


闇子『、、、、ヒカリコ、あなたってのっぺらぼう』


ヒカリコ『えっ!??』


闇子『あたし闇子、あなたの眩い歌声が大好きなの、だから会いに来た、けど、あなたの、ほんとの顔はどこにあるの?』


ヒカリコ『わたしの顔?これよ、ここにある、、美人で、可愛くていつもみんなが、ほめくれるわ。』


闇子『、、、』


ヒカリコ『なんで、だまるのよ!

って  あなた、よくみたらとても可愛くて美人さん。』


闇子『あたしは、ヤミコ、ヒカリが大好きな女の子♪』



ヒカリコ『なーに、その言い方、面白い(笑)』


闇子『あなたの、顔は、ど〜こ?』


ヒカリコ『えっ、わたしの顔ははじめからあるもん』


闇子『嘘つき、』


ヒカリコ『え、どうして?嘘なんかついてないわ』


闇子『おいで、連れてってあげる』


ヒカリコ『どこへ?』


闇子『井戸の中、あたしの中。真っ暗闇の、底の闇まで。』


わたしは、ヒカリコ。

闇子のお手々に引かれ、ぐんぐん井戸の中に、吸い込まれていく、どんどん暗くて暗くて、真っ暗になってく、


なんだかとても、居心地いいわ。

ヤミコのお手々は、とても冷たかった。



あたしは、闇子。

ヒカリコのお手々を握り、あたしの中へ、闇の、闇の、底の闇まで、ヒカリコ連れて堕ちていく、、

ウフフ、ヒカリコのお手々、とっても温かいの。



闇子『とうちゃ〜く!』


ヒカリコ『え、真っ暗よ、何も見えないわ』


闇子『ベロベロばーっ!』


ヒカリコ『あなたのお顔だけ見える!可愛くて美人さん。』


闇子『そう、見えるの、やっぱりあなたには、あたしのお顔が見えるのね。』


ヒカリコ『ええ、見えるわ。けど他は真っ暗闇、な〜んにもみえない。けど、ちっとも怖くない。』


闇子『そう、そうなの。ここは底の闇。

あたしの中。』


ヒカリコ『なんだか、とても気持ちがいい、ずっとここにいたい気分。』


闇子『あなたが良ければ、ずっといていいのよ、ヒカリコ。』


ヒカリコ『嬉しい、けど、わたし、もうすぐお家に帰らなきゃ、きっとお父様お母様お兄様が心配してる。わたしあなたとお友達になりたいわ。』


闇子『そう、あたしはずっとここにいる。ずっとずっとあなたのそば、あなたの歌を聞けば、またまたくら〜いふか〜い底の闇〜♪』


ヒカリコ『また変な言い方、あなたってとってもおもしろいのね』




わたしはヒカリコ、わたしには、お友達は、いない、いなかった。けど、できたの!できたの!お友達。ほんとのほんとのお友達。おウチに帰って、お話ししよう。そしたらね、お父様お母様お兄様、わたしのお顔を見て、ひどくびっくりしていたわ、お母様は、倒れちゃった、お父様、お兄様、とても怒ってわたしをおうちから追い出した、どうして、どうして?だからわたしは、笑ったの笑えばなんでも許してくれる。けど、今度は、ひどく恐ろしものでもみたようなお顔で、悲鳴をあげて、オウチの中へと逃げてった。


どうして?


ふと見た、窓のガラスに映ったわたしのお顔、




ヒカリコ『のっぺらぼう』


 


わたしはヒカリコ。

わたしのお顔どこいった?

急いで井戸に引返す、


あのコよ、そうよ、底の闇

闇子のもとへと、引返す。

急いで急いで引返す。


そうして、井戸に着き

井戸の中へ向け、大きな声で、叫んだの。



ヒカリコ『闇子ーっ!!!』



あたしは、闇子。

とうとう呼んだは、あたしの名前、大きな声で呼んでくれた、眩い声で呼んでくれた。

さぁ行こう!

眩い世界へ!


闇子『ばーっ!』


ヒカリコ『闇子、闇子!!、闇子!!!』


闇子『そんなに、たくさん呼んでくれるの、あたしの大好きな、ヒカリコ!』


ヒカリコ『返せ、返せ!返してわたしのお顔!』


闇子『もう、遅い。ばーっ!』


ヒカリコ『えっ?わたしのお顔、わたしのお顔が、闇子のお顔に。』


闇子『あんたのお顔は、あたしのお顔♪、これから、あたしは、あんたのお顔〜♪』



ヒカリコ『いやー!!!』


闇子『あたしは、あんたが愛おしくて愛おしくてたまらない。だから、あんたになることにした。あんたは、今から井戸の中、あんたの中の底の闇へ、さよなら、ヒカリコ』





わたしは、ヒカリコ。


あたしが、ヒカリコ。



井戸の中、わたしの中の底の闇へと、闇子に落とされ、真っ逆さまに、







おちてくおちてくおちていく。









わたしは、ヒカリコ。

あたしが、ヒカリコ。





戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない戻れない




………戻りたくない、フフフ…。





わたしは、闇子。


ずっとずっと闇の底、な〜んにも見えない

、真っ暗、真っ暗、底の闇。






光が、大好きな女の子♪

          

『ばーっ!』


         お〜しまい。

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