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キラキラさん


むかーしむかし、キミたちの知らない世界のお話し。不思議な不思議な世界のお話し。



ほら、ごらん、何やら二人の姉妹が、困ったかおで話しておりますよ。


のえ『キラキラさんでないねー』

ちー『でないねー、キラキラさん』


そこは、雲の世界、お星さまよりは、ちょいと下、ふわふわ、もくもく、雲の世界。 


のえ『もう雲で遊ぶの、あきちゃったなー、』 

ちー『ねー、あきちゃったー』


のえ『ちーちゃん、あそこのもくもくおっきな雲まで、競争しようか?』


ちー『うん!!しよー!』


のえ、ちー『よーい!どん!』


のえ『やったー!あたしの勝ちー』

ちー『のえちゃん、速いねー』

のえ『えへへ、今度は隠れんぼしよ!』

ちー『うん!するするー』


と、のえとちー、二人は仲良しこよし、もくもく雲の精霊。ふたりが、仲良く遊んでいると、どこからともなく、男の子の泣き声が聞こえてきました。


『えーん、えーん』



のえ、ちー『あっ!!』



『えーん!!!』


のえ、ちー『太郎ちゃん!!』


そうです、ふたりが大好きな!雨の精霊、太郎が、泣いています。


のえ『太郎ちゃんが、泣いてるね!』

ちー『雨をふらしているんだよね!』


のえ、ちー『いってみよう!』


と、ふたりはなかよく手をつなぎ、太郎のところへ、いきました!


太郎『えーん!えーん!』



のえ、ちー『た〜ろ〜、ちゃ〜〜ん』


太郎『あ、のえちゃん、ちーちゃん、えーん!』

のえ『あれれ、雨がふってないよ!』


ちー『あれれ、おかしいなー』


太郎『えーん!雨ふらなくなっちゃたの、なんでだよー、えーん』


のえ『なんで?』

ちー『なんでー?』


すると、そこへ、きれいなきれいな七色の着物を来た、七色の虹の神様、七色姫が、やってきました。


七色姫『あら、のえ、ちー、困ったことがおきちゃったの』


のえ、ちー、『キラキラ姫!!』


七色姫『七色姫よ、』


のえ『雨、どうしてふらないの?』

ちー『ねー、どうしてー?キラキラ姫』


七色姫『七色姫ね!!それがね、太郎、太陽の精霊、白日(しらひ)王子を怒らせちゃったの。それで、雨の力をとられたのよ。』


太郎『えーん、ぼくは悪くないよー、白日が、泣き虫泣き虫、泣き虫太郎っていじめてきたんだよー。』


のえ『また、いじめられたの!』

ちー『またー!』


七色姫『それでね、太郎、怒って大泣きして、白日の大切な大切な、太陽の着物を涙で濡らしちゃったの』


のえ『それは、大変ね』

ちー『大変ねー』


七色姫『困ったわ、早く雨をふらさないと、あたしの虹も出せないの』


のえ『えー!キラキラさん見れないのー!』

ちー『いやだいやだー!』


七色姫『そうなの。ねー、なんで虹をキラキラさんていうの?』


のえ『だって、すっごくすっごくキラキラひかってみえるから、』

ちー『お空の宝石〜!』


七色姫『お空の宝石かー、キラキラステキね!』


太郎『えーん、ぼく、雨の精霊なのに、雨ふらさないと、役立たずになっちゃうよー』


のえ『そんな事ない!太郎ちゃんは、あたし達の大切なお友達!』

ちー『太郎ちゃんは大切、大切なのー』


七色姫『そうよ、太郎、あなたは、役立たずなんかじゃないの、のえとちーの大切なお友達、二人に、光をあげているのよ。』


太郎『ひかり?』


のえ『うん、太郎ちゃんの涙もキラキラひかってキレイ!癒やされるよ』

ちー『キレイキレイ〜♪、癒やされる〜♪』


七色姫『そうね!キレイキレイ〜♪』


太郎『キレイキレイ〜♪えーん!ぼく、あやまりにいくよ、』


のえ『あたしもついて行ったげる』

ちー『あたしもー』


七色姫『まー!素敵なお友達をもって〜(涙)』


と、のえ、ちー、太郎は、白日王子のもとへと、ぷかぷか雲に乗って、会いにいきました!


白日王子『なんだよ、何しに来たんだよ!』


太郎『えーん!えーん!』


白日『泣いてばかりだ!泣き虫泣き虫泣き虫太郎ー!』


太郎『え〜ん!また言ったよ、えーん』


のえ『ちょっと!白日ちゃん!太郎ちゃんいじめちゃだめー!』


ちー『ダメ~!』


白日『な、なんだよ、また太郎ちゃんて、また太郎の味方かよ!』


のえ『ねーなんで、いつも太郎ちゃんいじめるの?』

ちー『いじめ、だめー!』


白日『しらないよーだ!やーい泣き虫泣き虫〜!』


太郎『えーん!』


のえ『これ以上、太郎ちゃんの事をいじめたら、白日ちゃんと、一生口聞いてあげないから!!』


と、のえは怒って、もくもく雲のカタマリを白日王子に次々投げつけました!ちーも、真似してなげました。


白日『いたい、いたい、やめろよ、わかったからもう、いじめたりしないよ、』


のえ『ほんと!約束して、』

ちー『指切りげんまん!』


白日『だから、口聞いてくれよ、また一緒にお話ししてくれよ、』


のえ『ほんとに?じゃー太郎ちゃんの雨の力も返してくれる?』


ちー『かえしてあげてー!』


白日『分かったよ!。じゃー、今度さ二人でお空のお散歩しにいかない?』


のえ『うん♪いいよー!』


白日『ほんとか!?やったー!!!、おい太郎、雨の力、返してやる!』


太郎『えーん!ありがとう!嬉しいよー!』


のえ『二人で仲良くするのよ!』

ちー『あたしたちみたいに、仲良しこよし〜!』


太郎『着物濡らしてごめんなさい』


白日『しょうがないなー、のえのために、ゆるしてやるよ!ふん、』


のえ『白日ちゃん、かっこいい♡』

ちー『イケメ〜ン』


すると、白日の顔は、真っ赤っ赤、体中が、暑くなり、眩しく光りだしました!


白日『じゃ、じゃーな!』 


と、白日は、あわてて去っていきました。太郎は、雨の力を、返してもらえました!そして、いつものように、


太郎『えーん、えーん』


のえ『わーい、雨が、降ってるー』

ちー『キラキラ雨、雨!』


七色姫『よかった、さぁ、あたしの出番!』


と、雨が降り止むと、キレイなキレイな、大きな大きな虹が出ました!


七色姫『今日は特別よ!』


のえ、ちー、太郎『キラキラさん!!!』




七色姫『太陽サンサン、雲がもくもく、雨ザーザー虹キラキラ✨みーんな、必要なの、大切な存在なのよ』


のえ『よーし、あの雲の先まで競争だー!』


ちー『よーい、どん!』


太郎『あ、待ってよー、えーん!』


と、三人は、仲良く遊びました。その日雲の下の世界では、大きな大きな虹が見れたとか。







おーしまい。



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