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うまい棒を100円で売る思考法

本日は、本の紹介です!
「9セルメソッド」で考える世界一わかりやすいビジネスモデル構築法です。シンプルだけど、とっても頭を使う、ふか〜い内容になっております。以下、全て引用です。それではご覧下さい!

参考文献『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』兵庫県立大学国際商経学部教授 川上昌直さん(㈱かんき出版 2013年)
Amazon.co.jp: 儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書 電子書籍: 川上昌直: Kindleストア
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■うまい棒を100円で売る方法は?
 突然ですが、「うまい棒」というお菓子をご存知でしょうか。コンビニでも売られている1本10円の子供向けのお菓子です。人気商品なので、ご存知の方も多いと思います。
 さて、このうまい棒を100円で売る方法を考えてみてください。成功すれば10円の投下に対して90円のリターン。投資利益率はざっと900%になります。いろいろな方法が考えられますが、最も簡単と思われるのは、うまい棒を今、提供している以外のお客様に売るという方法です。

■うまい棒を100円で売る方法
 結論から言います。お菓子ではなく、リッチ層の大人に買ってもらえるような別の価値を提案します。うまい棒をある程度こなごなにして、おしゃれな袋に詰めます。それをシーザーサラダの「トッピング」として提案し、高級スーパーで扱ってもらうのです。クルトンのようなものです。
 シーザーサラダのトッピング用クルトンは、すでに商品として存在します。現在の価格が概ね150円程度ですから、その70%相当の100円ならば、価格競争力もあるし、サラダの新しい食べ方を提案する商品として売れるはず。もちろん、袋代などのコストはかかりますが、うまい棒を大量に仕入れれば、1本当たりのコストも下げられますから、投資利益率900%は夢ではありません。これと同じようなことは、実際のお菓子メーカーで行われていて、決して机上の空論ではないです。

■「9セルメソッド」で考えるビジネスモデル
 優れた経営者の思考方法そのものを論理的に整理して、「儲ける仕組み」をつくるためのツールに落とし込んだものが「9つの質問」です。
 「9つの質問」は2軸のマトリクスで構成されています。ひとつは、「ビジネスをつくり出す要素」という軸。具体的には、「顧客価値」と「利益」、そしてそれらを実現する「プロセス」の3項目に分かれています。もうひとつは、「ビジネスに必要な要素」という軸。具体的には、Who−What−How、つまり、「誰に」、「何を」、「どのように」の3項目です。

■ビジネスモデル構築のステップ
 「9つの質問」でビジネスモデルをつくり上げていくステップを確認しておきましょう。
 まず、最初にやることは、顧客価値の提案について、その内容を決めることです。これは単にメリットの訴求だけを考えるのではなく、それをどのような価格帯で実施するのか、何の代替とするのか、そしてそれをどうやって伝えていくのか、といった意思決定を含んでいます。
 次に、存続条件である利益についてです。どうやって利益を得るのかという設計が必要です。誰を主な支払者とし、何から課金をするのか。さらに「同時」なのか「時間差」なのか、という時間軸も決めます。加えてこれを顧客価値と結びつけることで、より大きな展開に結びつけられるようにします。
 そして、それらを実現するためのプロセスの構築です。これは、顧客への価値提案とリンクさせるのが望ましいので、顧客の活動チェーンに沿って構築していきます。このとき、何が強みとして機能するのか、あるいはさせるのか、そして誰とパートナー関係を結ぶのかを決めなければなりません。
 これらの意思決定の集大成として、新たなビジネスモデルが完成します。
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■かっちゃん侍の一言
 世の中にはビジネスモデルキャンバスやリーンキャンバスなど、様々なフレームワークが出回っています。その中でも、「9セルメソッド」は構成要素間のタテ(顧客価値、利益、プロセス)とヨコ(誰に、何を、どのように)のつながりや一貫性を確認でき、ストーリー性を持って思考できる優れたフレームワークです。新規事業の立案にも、既存事業の見直しにも是非活用していきたいです。

■かっちゃん侍の実践チェックポイント
☑「9つの質問」に回答できるか?
☑顧客が抱える用事でセグメンテーションしているか?
☑顧客の「不(不便、不満、不確実性、不利益)」を取り除くことはできるか?
☑顧客ミックス(儲ける顧客/儲けない顧客)を設定しているか?
☑マージン・ミックス(儲ける商品/儲けない商品)を設定しているか?
☑全てを自分でやろうとしていないか(足りない資源は外部パートナーを使って補完)?
☑VRIOの要件を満たしているか?
☑バリューチェーンの大前提には顧客価値提案があることを忘れていないか?
☑顧客価値、利益、プロセスに一貫性はあるか?

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