ピアノ発表会
#挑戦してよかった
振り返れば、70歳も数か月を残すだけになった。65歳定年を延長して早5年経った。65歳になったら、今まで出来なかった旅行をしようとマレーシア、シンガポール、韓国、北海道、沖縄、軽井沢を旅した。旅行が好きで55歳の時に国内旅行取扱の資格を2年かかって取得した。仕事をしているときは、毎日が現実と未来のことばかり考えていた。どうすれば仕事がうまくいくのか?どうすれば人と上手にやっていけるのか?頭には現実の問題解決しか無かった。その空いた時間で、好きな旅行の試験も集中することができた。毎晩空いた時間に国内旅行の過去問を解くのが唯一の楽しみだった。
社会と離れた今の生活は、気は楽だが何か物足りない。しかし、一つだけ充実していることがある。それはピアノの練習だ。事の発端は、孫が小学校入学からピアノを始めたからだ。孫は自分から進んでピアノを習いたいと言い出した。練習も苦痛ではないらしく、淡々と弾いている。発表会では多くの聴衆の前で間違えることもなく上手に弾くことができた。私は孫の度胸と情熱に感動した。恥ずかしながら、孫からパワーをもらった。思い起こせば、私も小学校3年から小学校6年までピアノを習っていた。バイエル100番まで進んだ経験があった。50年以上のブランクを経て再び始めたピアノは、脳の指令が上手く両手に伝わらない。否、音符も読めないし、弾くのも手が硬直してぜんぜん進まなかった。或る日、楽器店に行ったときハ長調で書かれた楽譜に出会った。音符もカタカナで書いてある初級用の本だ。今、その楽譜を見ながら毎日練習を続けている。私の練習方法は先ず右手だけの練習だ。楽譜を見ながら右手練習。鍵盤を弾く指も楽譜に合わせ指を矯正する。指が覚えたら次は楽譜を見ないで右手練習。これで滑らに弾け出したら、次は左手に覚えさせる方法だ。左手も同様に練習する。両手が音符を覚えたら、楽譜を見なくても弾けると確信している。ピアノを練習している時間は気持ちが集中している。集中できる時が至福の一時だと心から思う。
私には夢がある。それは、発表会で孫とピアノ合奏をすることだ。実現するには時間がまだまだかかるだろう。でもいつか夢を実現させたい。孫にパワーを与えられるくらい練習をして孫を家族を聴衆を魅了したいと思う。