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映画『相撲道』をみて11月場所初日を迎える

いよいよ大相撲11月場所初日を迎えました。先場所は14日間がっつり相撲をテレビ観戦して、千秋楽は人生で初めて升席で生観戦したので私も観戦に力が入りすぎて少し燃え尽きたというか、力尽きたような感覚(なんで?)があったので、再びの着火を試みるべく現在公開中のドキュメンタリー映画『相撲道―サムライを継ぐ者たちー』を見てきました。

この日の上映は監督の登壇もあったからか、映画館はほぼ満席に近い状態でした。私は上京する前、マイナーな映画で映画館が満席になることを経験したことがなかったので、上京した当初はどんな単館上映作品でもそれなりのお客さんが入っていることに感動したものです。というかそもそも映画館が家の近くになかったので、家の近くで現在日本で公開中の映画はすべて見られるという都心の環境は住んでいる今でもずるいなあと思います。地方では監督や出演者の登壇なんて滅多にないですし。

それはいいとして、ほぼ満席の館内で私の隣の夫婦らしき2人組が「今日の初日・・・ちゃんどうだったかしら。連絡きた?」などの会話をしており、力士のご両親だったりするのかな~と想像を膨らませていました。

いよいよ時間になり坂田栄治監督の登壇です。スキンヘッドでハキハキとしゃべり、あまり映画監督然としていない印象。それもそのはずというか、監督は現役のTBS局員で、『マツコの知らない世界』も手掛けられているそうで、そこで取り上げた「相撲メシの世界」(私も見てました!!)をきっかけに力士の世界を知り、ぜひドキュメンタリーにしたいと思って制作に踏み切られたそうです。TBS制作ではなく、あくまで「副業で」映画を作られたということなので、その熱意たるやすごいものだと思いました。監督の「夢を叶えるならスキルも人脈もある40代からの方が叶えやすい」ということばにも何だか励まされました。

ここから先、映画の内容に少し触れています

で、映画です。番組で知り合った相撲絵師として有名な琴剣さんの紹介で境川部屋と高田川部屋が取り上げられているのですが、力士のインタビュー、厳しい稽古の様子、それから力士の素顔が垣間見える日常の様子などを中心に展開していきます。圧巻は食事風景で、監督が部屋の力士全員に焼き肉をおごるシーンではなんと会計で80万円越えになります。肉と白米をペロリと平らげる力士たちの姿はただただ爽快で、何らかのヒーリング効果すらありそうです。あとは音にもこだわったということで、コロナ以前の国技館の満員の観客の声援を臨場感たっぷりのサウンドで聞くことができます。私も先場所観戦して、声援がないとこんなに寂しいものか・・・と思ったので、音だけでも興奮することができました。

私は真剣に大相撲を見始めてまだ1年ぐらいなので、映画で大きく取り上げられていた豪栄道関(現武隈親方)が大関として活躍していた時期を見ていなかった分、ちょっと感情移入しきれなかったかった部分も正直ありました。

ここでしっかり相撲チャージがなされたので、大急ぎで帰宅し、テレビで11月場所初日を見ました。見始めた時がちょうど映画に出ていた竜電関の取組で、おっ!結婚したての竜電か!と思いましたが負けてしまいました・・・。私は映画を見るまで竜電関のことを「男前だけど覇気がない」と勝手に思っていましたが、映画を見て股関節骨折という大けがをして序の口まで番付を落としながら幕内まで復活したことを知って本当に自分が恥ずかしくなりました。そもそも覇気がなければ幕内で戦えるはずなどないのです。

先場所応援していた正代が大関になり、嬉しいよりも母親のような気持ちで今日の取組は気が気でなかったですが、初日はラッキーながらも白星スタートになりました。命を削りながら勝負のために戦い続ける力士たちには本当にリスペクトの思いしかありません。今場所は観客人数の上限が先場所の倍の5000人になり、にぎやかな国技館はいいものだと改めて思いました。

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