普通じゃないと思っていた家族の姿


子供の頃、家族でピクニックによく行きました。

たいていは、自転車で行ける距離の大きな公園。

両親は一台の自転車に二人乗り。

私は子供用の自転車に乗って、両親の後についていきました。

父は自転車をこぐのが早くて、ついていくのが精一杯。

追いつけなくて、姿が見えなくなってしまうこともよくあって

私は泣きそうになりながら自転車をこぎました。


公園ではお弁当を食べるのが、お決まりのパターンでした。

ある日のこと。いつものようにお弁当を広げていたら

通りすがりの知らない子供が

私たちを指差してこう言いました。

「こんな時間にお弁当食べてる」

こんな時間が、どんな時間だったかは覚えていません。

午前中や夕方でなかったから、多分、午後2時か3時頃。

お弁当を食べる時間が違うってことを、指摘されただけで

ものすごく恥ずかしさを感じました。

なんでみんなと同じ、お昼どきにお弁当を食べないの?

と父か母に訴えたような気がします。


私の両親は、母が父よりも一回り年上の

年の差カップルだったこともあり

みんなと同じじゃないことを、恥ずかしく思っていました。

ほんとにしょうもないことだけど、

おやつの有る、無しとか、おかずの数とか

少しでもよその家と違うと、敏感に反応しました。

それで母にはよく文句を言っていたのだけど

返事もしてくれませんでした。

あんたが考える「普通」はまぼろしだよ。

と思っていたんでしょう。


年の差カップルの両親は、何十年たった今でも

仲良くて

父が甲斐甲斐しく母のお世話をしています。

大人になった私は、一般企業や一般職とは無縁でしたし

結婚生活とも無縁だったけど、

子育てと仕事を生きがいに、

その時々で出来る限り、自分好みの生活を選んできました。

みんなと同じじゃない環境は、自由である。

子供時代の自分に教えてあげたいです。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?