技術書の輪読会を主催して1年経ったので振り返りをかくよ
昨年の12月からエンジニアのコミュニティ内で技術書の輪読会を主催しています。今回の記事ではその輪読会を運営するにあたって気を付けていることや、1年間の感想を書きます!
この記事は勉強会を主催しようとしている人に役に立つ可能性が数パーセントあるかもしれないし、ないかもしれません!
開催の経緯
コミュニティ内のSlackで、僕が「iOSアプリ設計パターン入門を輪読形式で読みたいな〜」とつぶやいたことが発端でした。ひとりで読んでも理解しきれないですし、読み切る自信がなかったのですよね、、
するとその投稿をみたコミュニティオーナーの堤さんがrandomチャンネルで僕の投稿を拡散してくださいました。そしてそれをみたコミュニティメンバーからも多くリアクションをいただけたことで開催するに至りました!
話しは逸れますが、コミュニティではこういうつぶやきが拡散されたり後押しされたりするので、色々なイベントや助け合いが生まれていて素敵だなーと思ってます!
輪読会の進め方
以下のシンプルなプログラムで、隔週土曜日にオンライン(ZOOM)で行なっています。
13:00 - 13:40
各自で黙々と読書。読みながら専用のSlackチャンネルに感想などをつぶやく。音読で順番に読み回すみたいなことはしていません。理由は参加のハードルが上がってしまうのを避けるためです。これについては後述します。13:40 - 14:30
ディスカッション。読んでる途中にSlackに投稿された疑問を拾ったり、みんなの感想をききながら議論し理解を深める。
運営で意識してること
輪読会を主催するにあたって、以下のような会にしたいなと思いました。
技術レベルや経験問わず、誰でも参加できること
参加者に心理的な負担を強いないこと
要するに参加のハードルを極限まで下げたかったわけです。そのために以下のような会に設計しました。
本さえ持ってくれば誰でも参加可能
レベル問わず誰でも歓迎ということをアピールしています。途中入退室も可
少しの時間だけでも参加できるように。事前の予習や宿題は全くなし
担当者が事前に読んできて要約してくるみたいなやり方もあるようですが、みなさんお忙しいので事前の要約や予習はなし。予習を必須にしてしまうとそれができなかった人の参加ハードルが上がってしまうので、とにかく本だけ持ってくれば完結する会に。あと何より予習ってめんどいですよね笑興味のあるトピックの会だけの参加もOK
毎回必ず出席する必要はないよということも伝えています。連続で参加していた人が途中で参加できない週があっても戻って来やすいように、さらにコミュニティに途中参加した人も参加しやすいように意識しています。ファシリテーターは常に自分がする
ファシリテーターを当番制にしてしまうとその人に負担かかってしまうので司会進行は全て自分が引き受けています。
これらの内容は、輪読会の開催を告知する際に繰り返し書くようにしています。繰り返し書くことで初参加の人も久しぶりの参加の人もいつも参加してくださる人も、全員に対して安心感を与えることができればと思ってやっています。
ハードルを下げるという行為は参加者の「〇〇だったら嫌だな」を払拭することに尽きます。
毎回参加するのは嫌だな
課題が出るのは嫌だな
発言しなきゃいけないのは嫌だな
こういったものを全て取り払ってあげて、できるだけ嫌なことがない会であるということを何度もアピールすることが大事かなと。
参加者のハードルを下げると言ってはいますが、こういう設計にすることで同時に主催する自分のハードルも下げて続けやすいようにしています。主催者の準備もできるだけ少ない方が勉強会を継続しやすいですよね!て...手抜きじゃないよ・・・
輪読会をやってよかったこと
輪読会をしてみて以下のようなメリットがあるなーと感じました。
普段自分ひとりでは読めない本も読み進めることができる
技術書の積読しがちですし、つまみ読みだけして全体を読んでない本も多かったりします。そんな本にしっかり向き合うというのは自分の場合、いい意味で強制された機会がないとしないことだなと感じました。みんなが一緒に読んでいるのでサボれないというポジティブなプレッシャーが読む気を後押ししてくれます。ディスカッションで色々な人の意見が聞ける
個人的には最大のメリットと思っています。参加者の方々が日々の開発でのリアルな話も織り交ぜながら話してくださるで理解が深まります。これは自分ひとりで読むのでは起こり得ないことなのでありがたい限りです。ディスカッションではみんなが一緒に何かを学び取ろうと、必死に深ぼっていくのが楽しくてたまりません!いろいろな安心感を得られる
ディスカッションをしているとこんな安心感を得られたり(?)この内容わからないのは自分だけじゃないんだ、よかった!
自分が日々の開発でやっていたことは正しかったんだ、よかった!
業務でしていた苦労を理解してもらえた、よかった!
発信につながる
輪読会で学んだことを実践して発信してくださる方がいるので、それがさらに良い刺激になっています。輪読会きっかけで発信してくださった方の記事をいくつか貼っておきますね!【Swift】サンプルアプリを作りながらBDDによるアプリ開発を学んでみた
iOSテスト全書を読んでいる期間にリルオッサさんが書いてくださった記事。順を追って丁寧に説明されていてすてきです。そして何よりイラストがすてきです。画面遷移でSegueを利用するメリット(Swift)
ディスカッションで、Segueで画面遷移って実装しないよねという話題が出たことをきっかけにam10さんが書いてくださった記事。ディスカッションでは書籍の内容から外れた話題がでることもありますが、それも面白いです!SwiftUIのPreviewを使ってUIドキュメント生成を自動化する
Yokiさんの記事。こんなツールを自分も作ってみたい人生だった😇 こんなツールあったらいいよねというディスカッションでの話題を有言実行してきた発信!
輪読会から派生して開催したイベント
輪読会でiOSテスト全書を読んだ際にBitriseの話題がありました。輪読会の参加者にはBitriseを触ったことがない人も多くいたため、同じコミュニティのかっくんさんがご厚意でBitriseの体験会を開催してくださることに!
その時の感想を同じくコミュニティ内のokaさんが素敵な記事にまとめてくださっているので、ぜひ読んでみてください!
そういえばコミュニティで最近はRuby関連の書籍の輪読会も行われていますね。そちらは私主催ではないですが楽しそうにやってるぽいです!
読んだ本、読んでいる本
途中のものも含めて、いままで以下の3冊を読んでいます。最初はiOS関連の書籍を2冊読んでいたのですが、最近はClean Architectureを読んでいます。ここからiOSエンジニア以外の方も参加するようになったので、いろいろな人と交流できてとてもいい感じです!
最後に
気がつけば1年続いていたことに驚いています。ご時世的に外出もほとんどしないし人との会話も減った1年でしたが、輪読会で隔週で参加者のみなさんと顔を合わせて学ぶことができるので、それがいつも楽しみでした。参加してくださるみなさんには本当に感謝しています!
これはエンジニアと人生 Advent Calendar 2021の7日目の記事です。
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