猫と子泣き爺
子泣き爺は徳島県の三好というところに、いたという。
山の中で赤ん坊の泣き声をするおじいさんがいて、その人が子泣き爺のモデルだったらしい。
今は水木しげる先生のおかげで、鬼太郎の仲間になり、日本人の多くが知っている有名な妖怪になった。
猫が山の中を歩いていた。
赤ん坊の泣き声がする。
猫に緊張感が走る。
耳をぴーんとそばだてた。
泣いているのは子泣き爺かもしれない。
妖怪だ。
猫は両目を見開いた。
子泣き爺か?
子泣き爺ではないのか?
子泣き爺か?
子泣き爺ではないのか?
子泣き爺か?
子泣き爺ではないのか?
子泣き爺か?
子泣き爺ではないのか?
子泣き爺か?
子泣き爺ではないのか?
子泣き爺か?
子泣き爺ではないのか?
猫はもうどうでもよくなり、その場で寝てしまった。
子泣き爺だった。