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超古代文明という香ばしい話

 ネットフリックスに、グラハム・ハンコックが古代遺跡をめぐるドキュメンタリーシリーズがあって。動いているグラハム・ハンコックを初めて見ましたよ。知的な雰囲気。もっとトンデモ的な、ユリゲラー的な人を想像していましたが、想像以上にまともでした。

 グラハム・ハンコックさんは『神々の指紋』がベストセラーになって、いくつも本を出していますし、僕は大好きです。メインの主張は、1万年以上前の氷河期に高度な文明があって、それが洪水とかで滅びた、ま、アトランティスとか、そういう系の話です。で、現代まで残っている巨石文明の精巧さを見ると、ま、それも分かるなというか、一理も二理もあるなと思います。だって、クスコの石垣とかマジでやばいレベルですよ。その上にインカ帝国の石垣があって、スペイン系のがあって、どんどんクオリティが下がっているという。

 みんな大好きギザのピラミッドなんかも、未だに誰がどないして作ったか分からないって、普通にすごいでしょう。で、今日(これを書いているのは昨日ですが)、木内鶴彦さんの講演会があって僕も関わるんですが、木内さんの本を読んでいて、まぁえらいこと言っているなと思ったのが、月が1万5千年ぐらい前に地球に捕らえられて、月の水分が地球に降り注いで海面が上昇した、という話。

 皆さんご存知かと思いますが、世界各地には洪水伝説がほぼ共通して在って、これは氷河期の末期からの海面上昇じゃないか、と言われています。日本では縄文海進と言われていますが、120メートルも海面が上がっているから、日本列島も大陸と昔は地続きだった。当然、沈んだ集落とかもたくさんあるはずなので、これが洪水伝説の元じゃないのかという人もいますが、でも120メートル上がるのに数千年かかっていますから。年1センチとかですよ。そんなもの、洪水なわけがない。伝説にもなりゃしない。

 洪水伝説と氷河期の海面上昇は、関係無いだろうと僕は思っています。となると、なぜ洪水伝説が世界中にあるのかというのは謎でして。月から水が降ってきた、ってのは洪水という意味では、氷河期の気温上昇に伴う海面上昇よりは、ずっと納得できる。ま、今日はそんなことで、木内さんの講演会がありますので、運営にも関わっているので、動画配信しますのでチケット買ってどうぞ。

木内さんのwiki

申し込みページ

 僕は毎度、言っているように、人間の遺伝子は数万年、変わっていないと思っています。思っているというか、実際、変わっていないし。で、いつもは、現代人も古代の人と同じフォーマットで生きているんだよという文脈で、使っていますが、逆に、数万年前の人間も、現代人と同じなんですよ。我々と同じように、話し、考えて、モノを作っていた。そして時間は数万年、あるわけですよ。数万年。

 例えば、150年前まではちょんまげだったんですよ。1000年前は藤原道長ですよ、紫式部とかですよ。その1000年が数十回、繰り返されているんですよ、人間は。でも、歴史というのはせいぜい2〜3000年しか語られていない。その前からずーっと何か、やっているんですよ。やっていないと思う方が、おかしい。だって、我々と同じような人間が、1000年の何十倍もの時間をかけて暮らしているんですよ。何かを生み出していないと思うほうが、おかしいでしょう。

 そしてまた、人間の歴史というのは、本当にいとも簡単に忘れ去られてしまう。小さな例ですが、僕が今、開拓している耕作放棄地、ここも、誰がどうやって作ったか、そんなのなんて全く分からない。ひょっとしたら数百年前からやっていたかもしれないけれども、何も分からない。そんなものです。ただ、何かは、ちゃんとしていたんですよ。我々と同じ、人間なんですから。

 ですから、何も無いからといって、何も無いとは限らない。普通の人の歴史、そして富や名声や国なども100年も経てば無くなります。ですので、僕は何かあっただろうな、と思っているわけです。人間がどんどん進歩して賢くなっているというのは、別に理由の無い歴史観であって、昔の方が優れていたというのも、またそれなりの考え方。キリスト教の終末思想の影響か、人間が発展していくという歴史観が「普通」になっていますが、そんなこと、ありゃしないのです、と思います。またあした。CIAO。

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