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量子もつれのこと

 今更ですが、今年のノーベル物理学賞を量子もつれの研究が受賞しまして。量子もつれは、遠く離れたところのペアとなった量子AとBが連動する(もつれている)ということですから、情報伝達速度は光速を超えるんですね。

 で、これは去年だったか、ノーベル賞を受賞したペンローズさんなんかは、脳内に量子を発生させる場所があり、意識がそこで発生している、なんて話もしていまして。となると、意識は量子的に動くので、同時に(光速を超えてつながる)テレパシーとかマジであるんじゃねーの?的な話もあります。

 という話を聞くと、んなわけないでしょ、と常識的に思う一方、でも、そもそも化学物質が肉体に作用するなんていう話も、我々は学校で習っているから「そういうものだ」と思っているだけで、いきなりそんなことを言い始めた人がいたら意味不明ですよ。そういう意味では、普通の「化学的な作用」と「量子力学の作用」も、同じぐらいの分からなさ、だとも言える。だって、炭素が酸素と結びついて、とか、どういうことですか。分かっていると皆が思っているだけで、意味不明ですよ。炭素の「手が4本」とか、なんじゃそりゃ、と。

 ま、それは置いておいて。こういう話になったときに、僕が本当に不思議に思うのは、光が遅すぎでしょ、ということ。量子もつれは光速より速い、ということですが、そもそもなぜ光速はこんなに遅いのか。太陽まで8分もかかるんですよ。かかりすぎでしょ。宇宙はめちゃめちゃ広いのに。何千億という星がある、この天の川銀河の一番近い恒星でさえ、4年かかるんですよ。遅すぎ。光、遅すぎ。

 日常レベルで見れば光速はとてつもなく速いんですけど、宇宙レベルで見ると、めちゃめちゃ遅い。そして、どれくらい速くしようと思っても、速くならない。不思議ですよ。なんですかね、この、蓋をされている感じ。光速という設定があるのは、この世が仮想現実で、我々は高度文明が作ったシミュレーションの中にいるんだ、というシミュレーション仮説もわからなくもないですよ。光速の限界が不思議すぎるので、そこで処置落ちしているんじゃね?ってのも、シミュレーション仮説の理由の一つだそうですが。分からなくもない。

 ま、僕は個人的には、シミュレーション仮説ってのは、そうだと思ったところでしょうがないし、ちょっとあり得ないでしょとは思いますが、それこそ、レベルの違う人(生命体)がどう思うかなんてことは、我々、シミュレーションしている側には分からないので、シミュレーションされている側の立場として「あり得ない」と思っているだけかも知れませんが。あり得ない、と思っています。それより、光速上限のイメージとして、昔でいうエーテル的なものがあるのかもしれないな、とは思います。

 エーテルを、ダークマターとかダークエネルギーと言ってもいいと思うんですが。何かしら、時空を満たすような媒体があり、我々はいわば感知できないけど、水の中のようにたゆたっている。となると、そこに光速のような上限があるのは、まぁ、分かる。で、その媒体を通らないような、次元が違う、と言ってもいいんだけど、そういうつながりとしての量子もつれなら、光速を超えるのだろうな、と。そんな程度に理解しています。

 ま、日常生活に影響を及ぼさない程度に、そう思った方が楽しいことは、そう思えばいいな、と思います。夜空を見上げて、あそこには延々に届かないんだと思うよりは、量子もつれのテレパシーでひょっとしたらプレアデス星人と意識がリンクしている、とか思った方が楽しげですよね。片道数年の光速通信では、寂しすぎるので、意識は時空を超えると思っていた方が、来世の楽しみとかもできるし、良いんじゃないかと思っています。またあした。

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