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『障害者の自立』をアップデートせよ!


 放課後デイサービスの中に、
就労準備型
の冠をのせた事業所が、みられます。
 この『就労準備型』は、公の制度でなく、勝手に
ウチは就労に向けて訓練 、いや、ソーシャルスキルトレーニングに励んでますよ!
と、宣言しているだけ。
 形ばかりの面接シミュレーションをやってたりで「雇ってもらうために」企業側に好都合な、従順で便利な障
害者作り
に見えてしまいます。

    口入れ屋や あるまいし… (独り言)

 でも『就労準備型』、障害者本人はともかく、保護者には とても魅力的に聞こえるようです。

⭐⭐⭐

  『障害者の自立』は、この10年ほどで考え方が大きく変わっています。
 
 半世紀前の人、糸賀一雄の名言

この子らを世の光に

と『を』の位置を間違えたらあきませんよ、と言ってた時代から、今、まさしくアップデートしなければならないのは『本人の意志』。
半世紀前の名言に『本人の意志』は含まれていませんでした。

 今は、 本人が光りたくもないのに、光れ!は、虐待の域です。

Nothing About Us Without Us 

なのに、障害福祉業界は、未だに光れ!光れ!と、アップデートしない方(新人より、福祉一筋何十年の方が多い感触)が、圧倒的な現状です。(私見)

 10年以上前『自立とは』の主流は、
(支援無しに) 独力で できるスキル
を目指していました。
 
 今、これが否定されたのでなくて、加わった新たな『自立とは』の主流が
自分の意志を 実現するスキル
を目指す形です。


踊る
 の主役が織田裕二さんから柳葉敏郎さんに代わってる感じです。
なんのこっちゃ。

例を一つ。

 高3、アナログ文字盤の時計では、時刻が読めない青年
→就労に備えて、アナログ時計の時刻を読む練習をさせています。

 この青年、デジタルの数字表示は読めますが『あと何分?』は苦手、『タイマーの音が鳴ったら』は、理解できています。

 なら、タイマー機能付きのデジタル時計があれば、アナログの時計に拘る必要無いはず。
この場合、『タイマー付デジタル時計』が、青年への『合理的配慮』です。
 青年の目的(意志)は、アナログ時計を読めるようになる、でなくて、時間を把握することが必要な、その先にある何か

 ボクは老眼が進んで、新聞の細かい字が見えづらい、でも裸眼で 新聞を読む練習を重ねはしない、ボクに合った老眼鏡を探します。
 ボクの意志は、 老眼からの回復ではなくて、新聞を読むです。

 もしかしたら、ヘレンケラーのwaterのように、突然、アナログ時計を理解できるかも。
 でも、ヘレンケラーにとってのwaterはヘレンケラーにとって一義的に必要なモノ、デジタル青年にとって アナログ時計が無ければ困る 世の中ではありません。

  この4月から一般企業でも『合理的配慮』が義務化されました。
 が、配慮する側は、障害者に対し 何をどうしていいか 分からないのが現状。
 ならば、障害者本人が『自立するには』自分が何をしたいか、そのために
 どんな配慮が必要なのかを知り、発信しなければなりません。
 
 青年なら、自分はデジタル時計タイマーがあれば 時間を把握できると、ボクは凸レンズがあれば 新聞が読めると。

  アナログ時計しかない職場で 独りでモジモジ、新聞を遠くにかざし、目を細めてイライラ、それでも、配慮、支援を求めないのは、『自立を目指す』とは 言えないのです。

 『自立とは』支援、配慮を辞退してがんばることではない、むしろ、自分に必要な支援を知ること。
ひいては、自分自身を知ること 。
 必要な支援、合理的配慮を得、何をどう発信すれば、自分の意志を実現できるか。
 障害者に 最も必要なスキルと思います。

 その発信のための支援なら『就労準備』と呼んでも良さそうです。


 社会福祉士には『自己覚知』が重要といわれてます。

 ようやく理解できてきた気がしています。

 自分自身を知ること を促す支援者が、自分自身を知らないと、適切な支援なんて できませんから。
 
 

 

 


 



 

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