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いくつになっても 甘えん坊

 ボクが居る病棟は、心臓外科の8人部屋。
 同室は、大半が団塊世代以上の男性で、カテーテルが6割、開胸手術が3割、その他1割位といったとこです。

 冠バイパス手術は、もう珍しくもなく、医学の進歩はボクの想像をはるかに越えていました。

 ただ、同室の患者さんは、ボクよりも一世代前で、当然、ボクよりもアップデートできていません。

 カーテン越しに漏れ聞こえてくる医師やベテラン看護師との会話は、悲しいかな、年寄りの見栄やら、知ったかぶり、偉そぶる声に、度々、居たたまれない気分に陥ります。

  自分の病気、手術、薬の事ぐらい、人任せにせんと、ちゃんと聞いとけよ!
安静や言われてるのに、勝手に起き上がらない、何回も! 
 入院までしてるのに、オレは大丈夫って思ってない?

なんて、イラついてしまいます。

  あと10数年、歳をとっても ああはなりたくない…
 えっ、もしかして ボクも 既に50歩100歩やったりして?

 ところが先日、マスクしていたら桜坂46に紛れてててもバレないほどの若い女性看護師が  夜勤の日がありました。

 と、同室のどのベッドからも、楽しそうな笑い声と、普段の医師やベテラン看護師に対して発する声とは別人のようなちょっと甘えた声色が。

 それがとても、気持ち悪かったのです。
  
 その看護師さんは、確かに、明るく人気ありそな娘さん、聞き上手だから、さもありなんですが、でも、ええ歳して、病気を慰められて 迂闊な甘え声、これは情けない。
 同じ事してたら、孤独な老人チームに引きずり込まれてしまうかも。
 ボクは、老人達の甘え声を耳にする度、深く自身を戒めるのでした。

🎵オトコは~だれもみなぁ~
『いくつになっても甘えん坊』
生き物なのかもしれません。


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