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Art Outbound Digest Vol.2

2022/09/20


雑感 キャラクターアート(とでも呼べば良いのかというもの)について

Art Outbound Digest、2回めの記事となります。

初回はこの部分にご挨拶を入れていたのですが、毎回ご挨拶してもしょうがないので、今回からは現代アートの世界をビジネス視点で見ての雑感を毎回書いていこうかなと思っています。

で、今回は最近、私がモヤモヤを感じているキャラクターものの現代アートについて。

(モヤモヤを感じているという言葉は、ここでは「まだ自分の思考で整理できていない」「自分の思考の中でどこの棚にしまえば良いのか決めきれていない」という意味で用いています。好き嫌いや許せる許せないのような感情的な話では一切ありません)

今年の六本木アートナイトは村上隆を看板として、藤子・F・不二雄の「ドラえもん」を徹底的に使い倒して人目を惹くというマーケティングでした。日本人ならほぼ誰でもドラえもんを見れば一瞬、視線を止めますから、単純に広告戦略として見れば非常にコスパが高いです。

だからドラえもんは何度も何度も国内現代アート作家の寄り合いイベントのテーマになっている。

あまりにも誰でも知っているモチーフで説明の必要が無く、かなり強烈な変形を加えても「ドラえもん」だとわかってもらえて、それぞれの作家の手癖で処理すれば簡単にそれっぽく仕上がる。しかも集客力も抜群。

ドメスティックビジネスとしては鉄板の企画ですね。絶対外さない。

森美術館の定番企画でもあるドラえもん。

少し引いた(=広角レンズの)画角で見れば、日本の現代アートビジネスが「ドラえもん」に乗るのは、既に圧倒的な知名度があるIPへの相乗りが有利すぎるという、SNS時代のアテンションエコノミーが現代アートの世界でも効いているということの証拠でしょう。

そして同じ企画を数年ごとにやるというのも、一度当たったタイトルは徹底的に続編を作り倒して客を沼に沈めるという、ディズニーお得意の(スター・ウォーズやマーベルシネマティックユニバースのことですよ)ビジネスモデルの応用です。

現代アートってそういうものでしたっけという疑問もわかないではないですが、「これはビジネスですから」。

キャッシュフローが動いて作家が食えるんなら全然OKだと思います。毎月でもやってくれて良いし、なんならドラえもんだけじゃなくてウルトラマンや仮面ライダーやソードアート・オンラインやガンダムをテーマに国内現代アート作家が招集される企画も立ち上げようぜ早く、とすら思います。

ま、これに限らず今現在の日本市場でアテンションが集まりやすいのは、何かしらのキャラクターを使ったアート作品なんじゃないかな、というのが今日のインサイトです。

村上隆のdobくん、奈良美智の例の女の子、草間彌生の水玉カボチャ。

あるいはKAWSやバスキア、モンドリアン、ウォーホル。バンクシー。

とにかく「ああ、あれね」ってすぐに思い出してもらえる顔・形・テクスチャがブランドシンボルとして確立されていて、ビジネスとしてのトラクションがかかれば即ミュージアムグッズに横展開出来るものを持っている作家が強い。

(今現在の日本市場では、ですよ)

この種のブランドシンボルがブランドコミュニケーションの中に組み込まれている作家の作品を、仮にキャラクターアートと呼んでみることも可能でしょう。

そういうものが無い作家が相乗りでAAA級キャラクターに便乗したビジネスの機会をもらえるのが森ビルのドラえもん定期アートで、言ってみれば歳末のベートーヴェンの第九演奏会の現代アート版のような企画と考えると、色々と腑に落ちます。

キャラクターアートの面白い展開の方法としては、藤子・F・不二雄の画風を完コピした上で架空のモブキャラを1点ものの絵画作品として量産するというキャラクターアートのビジネスモデルも生まれています。

キャラクターアートが強い日本市場でジュリアン・オピーのスタイルでキャラ部分の画風だけを藤子・F・不二雄に入れ替えるというのは現代アート作家のキャリアのアクセラレーションにおいては(日本限定の)優れたアイデアで、既にアジア市場にも進出出来ているようです。

これ、同じ方法論でいくらでもシリーズ増やせますしね。誰でも画風を知っている漫画家(尾田栄一郎とか井上雄彦のような存命作家だとリスクが高いので、石ノ森章太郎や手塚治虫や赤塚不二夫のような物故作家の方がやりやすい)の画風をコピーして同じ構図で大判のアクリルや油絵絵画を作れば良い。少なくとも日本なら売れないということは無い。

非常にわかりやすいブランドシンボルを構築して同じような絵を量産し、様々なグッズへと展開していくというビジネスモデルは、1980-90年代にはヒロ・ヤマガタやクリスチャン・ラッセン、シム・シメール、鈴木英人といったイラストレーターたちが大々的に展開していました。

天野喜孝など日本のアニメ業界で画力の高い人たちも一部はこのビジネスモデルに取り込まれたりもしています。アールビバンという会社が有名ですね。

こうしたブランディングによるアートビジネスが今はキャラクターアートや、ヘラルボニーがやっているような障害者アートにおいて(日本市場では)上手く回っているのかなと思います。

現代アート作家としてアウトバウンドしていく際には、このような日本市場の特性に合わせすぎた創作はむしろ現代アートの世界では周縁的な実践(というか商売)に熱心な人と見られて逆効果かもしれませんが、わかりやすいブランドシンボルを幾つか構築したブランドコミュニケーションという考え方には、学ぶところも大きいと思います。

2:ピックアップアーティスト

File 2 ジャデ・ファドジュティミ(ジェイド・ファドジュティミ) Jadé Fadojutimi

1993年ロンドン生まれ。ロンドン在住。

学位 MFA (Royal College of Art London / 2017)
活動期間 2014-
メディア 油絵
所属ギャラリー Pippy Houldsworth Gallery (2017)→ガゴシアン(2022 July-)
個展開催回数 6回 (2017-2022)
グループ展参加回数 27回 (2014-2022 / 年あたり3.375回)
博物館での展示歴 1回 (2021)
受賞・奨学金等 3回
著名コレクションへの収蔵作品 メトロポリタン美術館、テート・ロンドン、パリ市立近代美術館、大英博物館など美術館を中心に19件

※CVは各自こちらからダウンロードしてください。

https://jadefadojutimi.com/usr/library/documents/main/jad-fadojutimi_cv_website-3.pdf

今日取り上げるのはジャデ・ファドジュティミです。
 
2014年にユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのスレード校(とっても有名な美大)在学中からアーティストとしてのキャリアを開始し、2015年に同校を卒業。2017年には世界の美大の頂点であるRCAでMFAを取得。

2018年には史上最年少でテートに作品が買い上げられるという記録を打ち立てます。

そこからはもうトントン拍子の出世街道で、2021年にはサザビーズのオークションで作品があっさりミリオンダラー超え。160万と180万。この時の落札予想価格が8万ドルで、実現価格はその15倍だったそうです。

前回のアナ・ウェイヤント以上のエリート街道ですよね。学歴の暴力。経歴の暴力。ルックスとか愛人稼業でのバフもかかっていない実力オンリー。

別世界の住人じゃないですか。そんな人を持ち出されても、と思うでしょう。

じゃあこう言ったらあなたはどう感じますか?

「ファドジュティミは日本のアニメやゲームが大好きで、京都に通ってたことがあるんですけど? ファドジュティミの公式サイトにキングダムハーツの動画や日本のアニメ・ゲーム劇伴作家の栗子洋平さんの音楽へのリンクがあるんですけど?」

栗子洋平さん、ツイッターのフォロワー68人。世界の現代アート界の超新星にレスペクトされまくっていることに気づいておられるかどうか。

では、今回はファドジュティミと日本のヲタ文化の関係を中心に見ていきましょう。

展示会歴

ファドジュティミも最初は在学している大学の関連イベントから展示会をスタートさせています。学内展や卒展がキャリア初期に見えますが、すぐにイギリス国内の地方開催の賞で入賞して、次のステップに上がっています。

そして注目すべきは2016年。修士の1年目のときに京都市立芸大で開催された留学生展に出展。

ほら。

https://gallery.kcua.ac.jp/uploads/2020/05/2016_intl-students_pamphlet_1206.pdf

ファドジュティミは運が良いだけだと思っちゃだめですよ。6年前には京都市内をウロウロしている、どこにでもいる美大の院生でしかなかった。少なくともステータス的にはね。

ですが、ここで皆さんに私が問いたいのは

「アーティストキャリア3年目でこのくらいのことを考えて、このような英語の文章を書けましたか?」

ということです。(誰が訳したんだかわかりませんが、京都市芸大のパンフの日本語訳はほぼ誤訳なので読まない方が良いです。)

ちょっと詳しく分析しましょう。

The Melody of the Yokai is a cross between abstract landscape and figurative painting.

この第一センテンスは出展作の簡潔な説明です。いちいち訳しません。英語で読んで英語で理解してください。

Our lack of sense of self makes us humans vulnerable to romanticising about an alternative place.

ここはファドジュティミの問題意識の起点を示すセンテンス。

Whether it’s of the physical or imaginary world we are in search of a sense of an inner and outer harmony.

ここは直前の文への補足です。

Yokai encompasses this idea acting as a bridge between understanding and appreciating the natural world; a unique harmony I want to illuminate through the work.

第四センテンスでファドジュティミは、第二・第三センテンスで提示した問題意識を「妖怪」というキーワードで解決するというアイデアを提示、自作の意図へと導いています。

The material itself can become intimate and atmospheric that invites you to relate to the paint’s disposition.

最後は自作の構造解説です。

この文章自体、省略がやや強めですし、M1の書いた文章なのでまだまだ舌足らずなところはありますが、少なくとも構造は非常にロジカルです。

現代アート作家としてアウトバウンドを目指すのであれば、このようにして会ったこともない世界のどこかの誰かに自作の構造を言葉で説明出来るようにならなければいけません。国内のムラ社会で学閥となあなあで枠を融通しあうような甘さは、世界には無いと思わないと。

京都からロンドンに帰った2017年にはContemporary British Paintingという新興の賞に応募してshortlist(最終選考)に入っています。

この年はRCAの卒展、そしてイギリスの美大生を対象としたGriffin Art Prizeにも応募して勝ち上がっていますが、逆に言えばまだ彼女のロケットは着火していなかったということです。この時点で彼女の絵を買っていれば利回り1000倍くらいでしたね(笑) 京都でも買えたはずですが。

2018年は例のTATE買い上げの年ですが、こちらのギャラリーでのグループ展にも参加しています。2017年からガゴシアンに移るまでここに所属していたようです。

2020年には個展。

この翌年には作品がオークションで暴騰してガゴシアンにスカウトされる、という流れです。

バックグラウンド

ファドジュティミはコンサルタントの父親と公務員の母親の間に生まれました。三姉妹の長女だそうです。

5歳の時にセーラームーンにハマり、12歳の頃にはネットでアニメを見まくる生活だったそうです。あまり外交的な性格じゃなかったらしいですね。

特に衝撃を受けたのがこの作品だそうです。

京アニの「AIR」

見終わってから一週間ほど立ち直れないくらいの衝撃だったとか。今でも年に何回か来日してヲタイベントに参加しているそうです。ゴスロリのコスプレしたり。

そして彼女のフェイバリット作家は。

工藤麻紀子。日本の作家ですよ。キャラクターアートっぽさもありますね。奈良美智も好きだそうですが、それもアニメへの興味からの延長だそうです。

また興味深いのは、ファドジュティミはナイジェリア系という出自をモチーフとしてほとんど制作に取り入れていないということです(自分で言ってます)。

それよりはアニメ。日本のアニメ。ただし安易なキャラクターアート路線ではなく、自分の中で完全に消化して抽象絵画に変換している。
 

https://ocula.com/magazine/conversations/jade-fadojutimi-ica-miami/

現在も年間3度、それぞれ3週ずつ京都に来ているそうです。

作風

やや工藤麻紀子に似た色彩バランスを感じなくも無いですが、並べた上でコンテクスト情報を出さない限り絶対に関連性は指摘出来ないレベルですね。

抽象絵画は今では(かつての抽象表現主義とかトランスアバンギャルディアとかのismの時代もとうに終わり)、スタンダードでベーシックな表現技法となっていますが、それでも、先ほどの京都市芸大の展覧会の画像でも「あ、ここにある」とひと目でわかる個性が6年前には既に確立されています。

色彩センス、フォルムとも、個々の要素は「どっかで見たかもしれない」なんですが、それらのパッケージングがやはり「新しい」と思います。例えばファドジュティミの絵みたいな画面の上に人物が載っているような構図は容易に想像出来ますよね。ですが、それをやらなかったところが新しいのかなと。

正直に言えばあまたいる抽象画家の中で彼女が突き抜けた理由、きっかけ、差異は小さなものだったと思います。アニオタというストーリーも彼女の抽象絵画をわかりやすくする補助線になったのではないかとも。ただ、立場が作家の創造をブーストするのも確かなことで、もう少し先に彼女の創作のピークの時期が始まるんじゃないかと思っています。

まとめ

たぶん、世界で最も現代アート作家として成功したアニオタの一人なんじゃないかと思います。ファドジュティミ。

異文化を摂取して作品制作のエンジンにするにも、あからさまにやる方法と、自分と向き合うための燃料として利用するやり方があって、ファドジュティミは後者ですね。もしも彼女があからさまに京アニやセーラームーンのキャラを使って油絵を描いていたらTATEに収蔵されたか? ガゴシアンに引き抜かれたか? どう思いますか?

以上、参考になるでしょうか?

3:TIPS FOR ARTISTS AND COLLECTORS

アーティスト・イン・レジデンス

おすすめ公募でもしきりに出てくる「アーティスト・イン・レジデンス」。

聞いたことはあるのではないかと思います。

その名の通り、作家を招聘して数週間から数ヶ月の間、一か所に滞在してもらって、作品制作をさせるというプログラムです。世界中で無数に行われています。

遡れば西欧で、見どころのある画家をイタリアに留学させたのが始まりということになりますか。

レジデンシーのメリットは三つあると思っています。

  1. 偶然の出会いによる刺激

  2. 人脈

  3. 実績

まずは刺激というところから。

レジデンシーは知らない土地で知らない人たちに囲まれての制作になるので、単純に多くの刺激がもらえます。ファドジュティミがロンドンから京都に通うのも刺激が欲しいからなわけで、作家にとっては新しい出会い・新しい刺激を入れ続けることは基本なのだと思います。

次に人脈。

まともなレジデンシーであればキュレーターが選考プロセスに関与していますし、滞在が始まってからもスタジオ訪問や批評会などでキュレーターによる作品批評があります。これは刺激であると同時に、キュレーターとの人的な繋がりが生まれるということでもあります。

また、都市部や大学でのレジデンシーの場合は、アートに興味がある一般の人々や研究者との交流も生まれます。

こうした人脈が次のチャンスを呼んでくるのです。

そして、まともなレジデンシーであれば作家の実績としてカウントされます。

まともなというのは、お金さえ払えば誰でも滞在出来るスタジオ付き別荘(これをレジデンシーと称している不動産オーナーは星の数ほどいます)ではなくて、キュレーターが選考して、場合によっては滞在費が支給される(stipendと言います)レジデンシーを指します。

更には誰もが憧れる名門レジデンシーというのもあり、CVの中に例えばGasworksとかYaddoとかLUMAとかの文字があると、お、この人はあそこの選考突破したのか、やるなあという目で見られるわけです。

4:おすすめ公募

公募の見方

締め切り (締め切りが近いものほど上に出します)
審査料 審査料が有料の公募は多いので、金額とキャリアインパクトの比較で推薦するかどうか判断します
作品メディア どんな
タイトル 公募のタイトルです
テーマ 特定のテーマに沿った公募の場合はここに示します
賞典 勝ち上がると何が手に入るか
会場 どこの都市で開催されるか。オンラインのみの場合もあります。
URL
キャリアインパクト アーティストとしてのキャリアにどの程度のプラスのインパクトがあるかを示します。ABCDの4段階で当面行こうと思います。Aは推薦無しの公募で狙えるものとしては最上位のものなので、年に数件でしょう。Bも勝ち上がるのはとんでもなく難しいと思ってください。このクラスの公募を勝つ人のほとんどは既にアーティストとしてかなりの実績を積んでいる(場合によってはMid-Careerに分類されるレベルの)作家です。

A 受賞により国際的注目を集めることが出来る。(例:Artes MundiやArs Electronicaなど)
B 受賞によりギャラリー契約獲得や美術館への収蔵・展示のきっかけとなりうる。
C 受賞により任意のアート・コミュニティの中での知名度向上・人脈獲得を期待しうる。
D CVに記入して実績にカウントすることができる。

9月締め切り分

締め切り 9/25
審査料 なし
作品メディア 石の彫刻
タイトル “4TH TUWAIQ SCULPTURE OPEN CALL”
テーマ Energy of Harmony
賞典 レジデンシー(1ヶ月・往復チケット、滞在費+37500SAR/ 145万円くらい)
会場 リヤド
URL 

https://www.rcrc.gov.sa/Tuwaiq-Sculpture/En/index.html

キャリアインパクトB

サウジアラビア開催の彫刻公募です。国際的ステータスは結構高いですが、石を彫れる人限定。

締め切り 9/26
審査料 なし
作品メディア 2D
タイトル “Abstractd Virtual Art Prize”
テーマ 抽象表現の”D作品
賞典 1000USD
会場 オンライン


キャリアインパクト D

海外公募入門編として手頃な公募です。2D抽象表現の作品限定。

締め切り 9/27
審査料 なし
作品メディア 不問
タイトル “Allegro Prize competition”
テーマ 
賞典 25000ズウォティ(76万円くらい)+Contemporary Lynxでの掲載
会場 オンライン

https://contemporarylynx.co.uk/allegro-priz


キャリアインパクト B

イギリスのオンラインアートメディアとポーランドのECサイトの共同開催プライズです。
審査料タダなわりに賞金が良いのと、おそらくライバルも駆け出し勢でそこまで強力ではないと予想されるので、海外公募の入門編としておすすめです。

締め切り 9/30
審査料 20GBP
作品メディア 不問
タイトル “VAA International Exhibition & Scholarship Prize”
テーマ 
賞典 Shortlist以上でグループ展参加+3ヶ月のアーティストキャリア講習(オンライン)
会場 ロンドン

キャリアインパクト C

ロンドンでグループ展というのは魅力ですが、ライバルは結構強力な印象があります。審査料もそれなりにかかるので、充分な準備をしてチャレンジを。

締め切り 9/30
審査料 なし
作品メディア 絵画、彫刻
タイトル “Istanbul Artist Residency”
テーマ 
賞典 12/3-16の2週間、イスタンブールでのレジデンシー。その後、レジデンシー参加者による1週間のグループ展。滞在費と制作費は支給。渡航費は自費。
会場 イスタンブール
URL 

https://www.istanbulartistresidency.com/residency


キャリアインパクト C


渡航費がちょっとかかりますが、審査料もかからないので「出すだけ出してみる」のはありと思います。応募動機や製作プランを英語で書くことになりますが、これらは普段から書き慣れていないといつまで経っても上手く書けるようになりません(別途、有償にてサポート可)。

締め切り 9/30
審査料 なし
作品メディア 自由
タイトル  Annual Grant Residency Program ZARATAN AIR
賞典 リスボンにて1ヶ月の給費レジデンシー

キャリアインパクト C

イベリア半島は現代アートの世界ではさほどメジャーではない地域ですが、どこでも行けるなら行ってみるべきと思います。応募書類もそこまでヘビーではないので、練習として。

10月締め切り分

締め切り 10/1
審査料 なし
作品メディア 
タイトル 
テーマ 
賞典 2023年に1-3ヶ月の間でセゴビアでレジデンシー。
会場 セゴビア

キャリアインパクト B

マドリードから60kmほど離れた古都セゴビアでのレジデンシーです。必ず制作せよとかワークショップをやれとかの縛りもなく、マドリードの現代アート人脈を作りたい作家向けとのこと。ただし選考は結構厳し目だそうで、それなりに実績がある人以外は呼ばれないようです。過去に呼ばれた人もヴェネチア・ビエンナーレ参加歴アリ、とかのレベル。

正直、今の日本で現代アート作家ですという看板で活動して日本語メディアでちやほやしてもらえている人たちの中で、この公募に出して受かる人は些少なのではないかと思います。それは才能や実力云々ではなく国際基準を見据えたキャリアデザインをしていないからです。

締め切り 10/1
審査料 なし
作品メディア 
タイトル “ Camargo Foundation Residency”
テーマ リサーチベースド。つまり作品制作のためのリサーチをしてくださいというレジデンシーです。研究者やライターも応募可。
賞典 2023年秋と2024年春にそれぞれ10週間のレジデンシー。週あたり350ユーロの支度金支給。各ピリオドで7名。
会場 カシス(マルセイユ近郊の海浜リゾート)
URL 

https://camargofoundation.org/apply/current-calls/


キャリアインパクト C


こちらも最低5年以上のアーティスト活動歴を要求するものですが、採択されれば確実にキャリアアドバンスがあるはずです。

締め切り 10/2
審査料 なし
作品メディア 自由
タイトル Ornamenta 2023-2024
テーマ 会場により数種類あり
会場 ドイツ西部(「黒い森」地域)

キャリアインパクト C

ドイツの新しめの地域アートイベントです。ドクメンタやマニフェスタに比べると全然小さいですが、そのぶん選ばれるためのハードルも低いと予想。ただし詳しいことは問い合わせてくれというスタイルなので、英語力がある程度必要ですね。

締め切り 10/4
審査料 なし
作品メディア なし デザイナーや建築家も応募可
タイトル “ Sir John Soane’s Museum Residency Program”
テーマ 
賞典 ロンドンのサー・ジョン・ソーンズ美術館で3ヶ月のアーティスト・イン・レジデンス+支度金1500ポンド
会場 ロンドン

キャリアインパクトB

ロンドンでのアーティスト・イン・レジデンスです。サー・ジョン・ソーンズ美術館は19世紀に活躍したイギリスの建築家の旧邸を美術館に改装したもので、知名度はまあまああります。

締め切り 10/25
審査料 なし
作品メディア 1-3分間の動画
タイトル “International Open Call for Digital Arts – ‘Yes to all’”
テーマ 別途キュレーターによるテキストあり
賞典 上位5人に1500ユーロ+スペイン国内各所での上映
会場 オンライン+スペイン

https://smth.es/en/siatodo/


キャリアインパクト C


最近増えている動画公募です。ウェブで簡易に閲覧出来る動画ファイルは現代アートのフォーマットとして完全に定着したと思います。動画編集に忌避感が無ければチャレンジしてみることをおすすめします。何事も経験です。

締め切り 10/28
審査料 30USD
作品メディア 自由
タイトル BEAUTIFULLY BROKEN
テーマ 不完全をテーマにした作品募集です・
賞典 グループ展参加。
会場 アメリカ(ペンシルベニア州カーライル)のギャラリー


キャリアインパクト D

アメリカの地方都市のギャラリーの公募です。公募入門編といったところですね。初心者向けと思います。審査料も標準的。

締め切り 10/31
審査料 なし
作品メディア メディアアート全般
タイトル “subnetAIR/ MediaART CALL for 2023”
テーマ 
賞典 2023/11/2-30 ザルツブルクでのレジデンシー。ザルツブルグ大学メディアアートおよび実験的テクノロジーセンターとの共催。支度金1000ユーロ。
会場 ザルツブルグ

https://subnet.at/subnetair/subnetair-mediaart-call-for-2023-stadt-salzburg/


キャリアインパクト B


研究機関とのコラボによるレジデンシーは最近のヨーロッパのトレンドの一つです。当たり前ですが日本国内で求められるようなアーティストポエムではなくてガチガチのアカデミックライティングでの応募ということになります。遠巻きにして見ていても始まらない(どころかどんどん終わっていく)ので、勇気を出してトライしましょう。

11月締め切り分

締め切り 11/25
審査料 なし
作品メディア 自由
タイトル 「ギャラリー無量キュレーション公募2023」
テーマ
賞典 2023年秋に富山県砺波市のギャラリーにて企画展。資金35万円。

キャリアインパクト C

国内公募です。審査員に鷲田めるろ(十和田市現代美術館長)がいるので、国内の現代アート関係者に顔と名前を売りたい人向けです。

12月締め切り分

締め切り 12/1
審査料 78.65ユーロ
作品メディア アーティスト、キュレーター、デザイナー、ライターなど幅広く募集
タイトル  Jan van Eyck Academie
テーマ
賞典 2023年11月から11ヶ月間のレジデンシー。毎月1000ユーロ支給の他、制作費2000ユーロ支給など。
場所 マーストリヒト

https://janvaneyck.nl/apply/


キャリアインパクト B


オランダの名門レジデンシーです。これはアーティストキャリアがまあまあ進捗している(キャリア5年以上、個展5回以上、美術館展示歴アリ、ギャラリー契約アリくらいの)人でないと即死の難易度ですが、何度も申し上げているように、まずはこのレベルを越えないと世界では戦えないということです。

応募書類として要求されているものも結構な分量の英語ですが、ここで怯むようならもうさっさと普通の就職を探すべきと思います。繰り返しますが、こんなもの書けて当たり前の人たちが世界にはうようよいます。それが最低基準です。

An application consists of the following parts, preceded by a table of contents:
• A project proposal stating the goals and purpose of your stay (max. 500 words);
• First ideas concerning an In-Lab (max. 500 words);
• Documentation of recent work (dating back no longer than 5 years, maximum 25 pages);
• Resume (max. 2 pages).

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日々膨大に公開される海外のアート公募の中から主宰者が応募者のキャリアにインパクトがあると判断したもの…

BASIC

¥985 / 月

ADVANCED

¥5,000 / 月
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