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Art Outbound Digest Vol.13

1:アート作品の海外発送あれこれ

 今日は作品を海外に発送するときの話をします。

 Art Outbound Digestのコンセプトは「市場も小さければ狭い村社会でもある日本のアート界隈を捨てて、外国市場に活路を見出しましょう」というものですから、当然、何かあれば作品を海外に運ばなければなりません。

 写真や小さめの絵を描いている人ならば簡単ですよ。

 基本的にはEMSで送れば良いだけなので。

 ただしですね。

 写真はまあ、写真オンリーの公募(前回見たような)なら良いんです。サイズが揃っているので、グルスキーの巨大写真みたいなのと並べて展示されることは無いでしょう。

 ですが絵画の場合は無差別級ですからね。

 絵でもなんでも、単純にデカい方が目立ちます。展示空間の中では。

 例外はありません。

 デカさは正義。

 いやマジよマジ?

 これが何を意味するかというとですね。

 Group Exhibitionの作品公募に出しました、通りました、展示しました、というときに。

 来場者の目に止まりづらいってことなんです。

 本当かと思ったらどっかGroup Exhibitionやってるギャラリーに行ってみてください。よほどの駄作でなければ、デカい方に絶対に目が行くから。

 B5よりA4、A4よりA3よりA2サイズの絵や写真が勝ちます。つまり、売れやすいだろうし、作家として記憶されやすい。

 ところがね。

 作品がデカくなると端的に輸送費が上がるっす。

 EMSの料金表こちらね。

 あとはサイズ。

 アメリカにEMSで送る場合は

「長さ1.5m 長さと横周の合計2.75m、最大30kg」

 これが上限です。限界ギリギリの数字のものをニューヨークにEMSで送ると片道75100円。売れなければ返ってくるので往復で15万円ちょい。

 Emerging Artistの懐には痛い攻撃です。

 でもまあEMSで送れるものならまだマシです。まだマシ。

 サイズや重量がこれを超えるとどうなるのか? 例えばデカめのインスタレーションとか重めの彫刻とか。普通に30キロなんか越えますよね。

 寺田倉庫や日通がやっている美術品専門の輸送サービスを頼むことになったりするのですが

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