雪の降った日に
出張先で、ふと、外に目をやる。
まだ4時前なのに、もう暗い。そして吹雪だ。
「もう帰ろう」と思い、タクシーを呼ぶ。
雪道の運転に未だに慣れない私は、冬は電車とタクシーを使う。1メーターほどでも、歩くには寒さが辛くて、タクシーに甘える。
タクシーの運転手さんは、乗車した私に、すぐ話しかけてきた。
「こんな天気のときは、帰るのが正解だよー。わしも、これで今日は終わりにするよ」と。
そこから、今年は雪が少ないね、という話になる。
私も、11月に札幌の山に行ったけれど、雪があったりなかったりと中途半端で歩きづらく、途中で下山してしまった。
年内に再訪しようと思いながらも、街の雪があまりに少ないので、きっと山もそうだろう、と行くのをためらっていた。
だけど、ようやく!!
久しぶりに雪が積もりそう。
タクシーの窓越しに見える雪にホッとする。
北海道にいると、たいてい雪のことを考えている。
雪の始まりは、夏山シーズンの終わり。短い夏は、この季節がすぐ去ってしまうことに焦りながら、山を登っていた。
しかし、冬山の一面真っ白な景色も、とても美しい。最近は、ずっと雪を待ち望んでいた。
おじさんは言う。
「雪がある方が、あったかい感じがしていいよね。雪で周りが明るくなるから」
そうか、雪には温もりがあるのかもしれないな。
雪の積もる歩道では、もこもこの格好をした男の子が、お母さんと手を繋いでいた。「月がレモンの形だー!」とはしゃぐ声が聞こえる。
やっぱり、北海道の冬には、雪が必要だ!と思う。
写真は、余市のシリパ山です。
日本海と積丹岳が見えました。
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