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note小説 三十路のオレ、がん患者   第28回 凍る背筋

午後の病院。

不思議なものだ。

外来の朝は、再診の順番待ちで人が並んでいる。
それでも午前中に診察は終わらず、午後に食い込む。

人、年寄りが多く、ラッシュだ。

24時間で考えてみれば、1日のうち込み合っているのが4〜5時間だけだ。

残りの時間はガランとしてる。

毎日が祭りのあとだ。

幼い頃、医者と銀行は午後3時頃に仕事を終えて美味しいものを食べに行ってる。
人間は目の前の状況で判断しがちだから幼きオレは当然そのように現状把握をしていた。

だが実際、病院には入院患者がいるし、銀行は金額を合わせる仕事もあるし融資先を回る事もあるだろう。
フロント業務が終わっただけでバックヤードの仕事が始まるから食事どころか激務なのだ。


そんな細々とした外来診察の時間帯に半年ぶりに病院に来た。

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