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1点の重み

球技の世界で「1点の重み」とはよく使われる表現だ。

ただ、同じ1点でも競技によってその重みは異なる。例えば、1試合に1点しか入らないことの多いサッカーと、1試合に100点入ることも珍しくないバスケットでは、1点の重みは全く違う。単純計算で100倍の違いがあることになる。

しかし、バスケットの最終クォーター残り数秒、1点差で負けているときのフリースローの1点は、4-0で勝っているサッカーの試合で5点目の追加点を取る場合の1点よりもはるかに重い。

また、同じサッカーでも、紅白戦での1点とワールドカップでの1点は、ワールドカップの方が何百倍、何千倍、いや、何万倍も重い。いや、もっとか。

つまり、状況によって1点の重みは大きく違ってくる。

しかし一方で、子供のサッカーを観戦する親にとっては、町の小さな大会での我が子の初ゴールが、テレビで見たワールドカップのゴールよりもはるかに重く感じることがあることも事実だ。

そう考えると、立場によっても重みは変わってくることになる。

では、1点の重みってなんだろう?客観的に定義できることなんだろうか?

よく分からなくなってくるが、分かってることは、スポーツの種類、その時々の状況、その人の立場などなど、無数の要因が関係しながらも、それを人は「重み」としてシンプルに感じることが出来るということだ。大事な場面で緊張して力んでしまうのは、その1点の重みをその人が正確に感じ取っているからだ。1点が入って歓喜したり落胆したりするのも、その重みをちゃんと感じ取っているからだ。

そんな重みを感じながらも持っている力を出せるのがいいプレイヤーだが、それは一旦置いておいて、まず、1点の重みを感覚として感じ取れているということ自体が凄いことだということを再確認しておきたい。当たり前のようだけど、無数の要素を計算に入れた上で、シンプルに重みとして感じ取れるのは、多くの人が既に持っているすごい能力じゃないだろうか。

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