「長沢背稜」とはどこを指すのか

ハイキング中に長沢背稜を歩く機会は多い。難しい尾根をやり終えたあと、登り降りの少ない稜線に上がりピッチを変えて歩くのは気分転換にもなる。しかし酉谷山や三ツドッケは長沢背稜にあるピークなのか。どこからどこまでが長沢背稜なんだろうか。疑問を解消するために東京都の水源林として奥多摩~山梨東部を管理する(※)東京都水道局の水源管理事務所に問い合わせた。やりとりは以下のとおり。
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Q:登山者は都県境の尾根を長沢背稜と呼ぶことも多い。まず、この稜線につけられた道は登山道ではなく「水源林巡視路」であり、したがって東京都側を、ピークにこだわらず、登降の少ない巻き道になっている。仕事道を登山者が遊びで使わせてもらっている。この認識でよいか。
A:そのとおり。
Q:「長沢背稜」の名称は一帯を管理する東京都水道局が名づけたと推測しているが。
A:そうではない。「歩道台帳(!)」にそういう名称はない。長沢背稜と呼ぶこともあるけれど。
Q:(水道局の用語でないとすれば問い合わせ先を間違っているが)長沢背稜とはどの区間を指すと思うか。
A:雲取山から酉谷山と広くとるベテラン職員もいる。ただいちばんイメージしやすいのは長沢谷とその支流の範囲、芋ノ木ドッケから水松〈アララギ〉山の稜線を指すことになる。
Q:二軒小屋尾根と天祖山尾根のあいだか。
A:そのとおり。長沢背稜とは田部重治など黎明期の登山家がつけた名前ではないか。そのように聞いている。
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長沢谷の背後の稜線だから長沢背稜。自然な発想に納得した。田部重治・木暮理太郎・原全教の本を、やっぱり読まなきゃダメか。それにしても「歩道台帳」をいっぺん閲覧してみたい。
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※~https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/antei/03/03_hirogari.html

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