ハイキングでおこる痛み、腰痛・ヒザ痛についての考察

考察といっても素人の見立てなので確かさの保証はできないが、おそらく的外れではないと思う。
腰痛やヒザ痛の原因は多くが「痛む部分に問題がある」のではない。腰痛なら腰部に、ヒザ痛ならヒザにトラブルが発生したわけではない、ということだ。その上部が固まり柔軟性に乏しくなる、重力に従い下部の関節に負担がかかり痛みになる、の順番だ。
わかりやすく例えて、上半身がものすごく硬かったとする。墓石みたいに。上半身は体重の6割以上あるそうだから、体重60kgとして36kg以上。座った姿勢から立ち上がることも、駅の階段を登ることもできないだろう。たちまちギックリ腰をおこす。日常生活でもハイキング中でも、腰から上は無意識に柔らかく動くことで重心を移動し、腰部の負担を減らしている。
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今回、濡れた路面を緊張しながら歩くあいだに無用な力が入り続け、右の上半身が固まった(記録者は常に体の右側にトラブルがおきる)。重心移動のバランスが失われ、下半身の筋力で登り降りをこなすようになる。酷使された右大腿部と右腰部・右でん部の筋肉がかたまり、ヒザに上半身の体重が直接かかり続ける。限界をこえて痛みになる、といった順番のなずだ。ちなみに二日たったいま、痛みは消えたが。
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ハイキングで楽に速く歩くためには、上半身・上半身と下半身をつなぐ腰部の柔軟性はとても重要だと痛感している。柔軟性といっても、イナバウアーみたいな姿勢がとれるとか・背中で握手できるとか・股割り(両脚開脚で上半身を床にぺったん)ができるとかではない。できたほうがより良いのかもしれないが、記録者はどれもできない。そうしたことよりも、どんな傾斜や地形でも足裏に拇指球(親指付け根)・小指球(小指付け根)・カカトのトライアングルがあり均等に荷重がかかっているかが大事で、そのためには上半身が「無意識に細かく」動いていないと、そうした状態は出来上がらない。緊張すると首や肩に力が入り、肩甲骨周辺に広がる。上半身がかたまるキッカケになりやすい。要注意だ。
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参考までに、まったくジャンルが異なるがアルゼンチン・タンゴのエクササイズの動画を添える。眺めていればわかります。何回も繰り返されるのが「上半身はリラックスして」。完全にリラックスして単純な脚運びをするのが難しく、ここがキモだ。https://youtu.be/UFCA3vtHhfU

最後に、山行記録を眺めていると「足首の硬さ」を気にするハイカーが多い。問題は足首ではないと考える。「体の中心近くにあるもっとも大きな関節=股関節」の硬さが解消されれば、気にならなくなるはずだ。

※元の記事は20211013 "(届かず)雨の丹沢主脈縦走 ワンデイハイク" https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=232942

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