カプコンの会長の教え ~ゲームコンテンツとライブプラットフォームの違い~
こんにちは。加藤です。世界で一番大きなVRのライブプラットフォームVARKを作っております。
最近、VARKを作っていく上で感じたことをシェアしようかなと思い、筆を取りました。
【思い出】僕は新卒でカプコンというゲーム会社に入りました。
とても大きな会社なので会長に会うことなどほぼなく、
一年に一度その月の誕生日の社員を集めて会長がめっちゃいい弁当を振る舞うというイベントのみです。
そのときも別に会長は長々お話するというよりも、黙々と「みんな、勤めてくれてありがとうな。家族を大事にしなさい」位しか言いません。
なので、会長のマインド注入されたと感じることはカプコンに勤めていて、4年弱ほぼありませんでした。
ただ、入社式の日に唯一心に残った言葉があり、それを今の開発方針と照らし合わせて見たいなと思いました。
会長曰く
「皆さん、これからゲームを命がけで作る日々に入ると思います。
しかしながらゲームは人生で必要なものではありません。なくても死にません。
なので、最高のものしか人の手には渡らないのです。それはワインも一緒です。
皆さん、最高のものを作ってください。」
※会長はワインの会社も持っていて、そのワインはめちゃくちゃうまい。僕はお祝いごとのたびに買って贈るくらい好きだ。
僕はこの時、「この会長はゲーム会社の会長なのに面白いことをいうな。」と思っていました。その程度でした。
しかし改めて、自分で会社を起こし、ゲームを作ってみて、この言葉、深いなと感じ入りました。
ゲームって究極的になくても良いものなのかなと。
ゲームとは詰まる所、暇つぶしであり、最近できたものであり、芸術でもありません。
ゲームに人の心を動かす力があることは体験ベースでしっていますが、心が動かなかったとしても死にません。
ゲーム、僕はめちゃくちゃやります。ただ一方で、なければないなりに、なんとかなるし、やるなら一番おもしろいと思うものしかやりません。
僕はVARKを作る前、VRのゲームを作っていました。
もう一本くらいつくろうとも思っていました。しかし、ゲームは作らずにVARKをつくり、今多くの人に楽しんでいただいてもらっています。
あのとき、なぜVRゲームを作らなかったのかといえばそれは、
「VRでフォートナイトやLoLに勝てる体験が作れるのか。」という
どっかしらで最高の体験を求めていたからだと思います。
さて、VARKの場合ちょっと違います。
究極的にみんなに楽しんでもらっている要素は「好きな人に会っている」という感覚だと思っています。
もちろんVARKは最高のVRの体験、ここでしか見れない演出、エフェクト。
スタンドアローンの手軽さなど、様々な価値要素がある一方で、コアなバリューは
「vtuberさんからみた時、自分が表現したいライブを開催できる」
「オーディエンスから見たとき、自分の好きな人が最高に輝いていて、そして会える」という感覚だと思っています。
僕はこれは必要不可欠な感覚だと思っています。
自己実現の欲求×好きな人に会うというこの感情は「人生で必要なもの」と定義してます。
正直言ってゲームより作るの大変です。
コストパフォーマンスも高くないです。
ただ、一方でこの感覚というのはハマればある種狂気的な感覚を生み出します。
好きな人に会えない人生って本当に生きているんだろうか。
自分がなりたい自分を目指せない人生って本当に生きているんだろうか。
そう考えるとVARKを作っている時、人生に必要なものをつくっている感覚が確かにあります。
ゲームとVARK、おんなじチームが作っているのに役割と思想に大きな違いがあります。
今、僕たちのチームはこの感覚を極めたい。出来るだけ多くの人にこの高揚感を味わってほしい。そう思って開発をしています。
ただ、今でもゲームは創りたいと思っており、会長マインドでいうところの「最高のもの」を作れるようになったら、チャレンジしたいと思っています。
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