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ステマ告示とは?今後ステマに該当する可能性があるものとは?

ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告や宣伝であることを消費者に気付かれないように行われる広告手法を指します。2023年10月1日から、日本ではステマが景品表示法に基づいて規制されることになりました。

景品表示法第五条3号
前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

ステマ告示とは、上記の内閣総理大臣が新たに指定するものを指します。そのため、景品表示法の条文には、ステマは直接記述されていませんが、明確に、不当な表示に含まれます。

ステマ規制の概要

  • 規制の背景と目的: ステマは、消費者が広告と認識せずに情報を受け取るため、企業の宣伝であることを隠して消費者を誤解させる恐れがあります。これにより、消費者が自主的かつ合理的に商品やサービスを選ぶことが難しくなるため、規制が導入されました。

  • 規制の内容: 改正された景品表示法では、消費者が「これは広告である」と明確に判別できない表示が禁止されます。これには、インターネット上のSNS投稿やレビュー投稿、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌などの表示が含まれます。

  • 適用範囲: 規制の対象は、商品やサービスを供給する事業者(広告主)です。企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の直接対象とはなりませんが、その表示が事業者の表示と判断される場合には規制が適用される可能性があります。

規制違反の罰則

ステマ規制に違反した場合、景品表示法第5条第3号に違反することとなり、消費者庁等による措置命令や、措置命令に違反した場合の刑事罰の対象となります。

措置命令は実質公表ですので、過去の例をみると、Xなどで公表はバズります。そのため、ステマをしている企業・店舗のレッテルが貼られるため、刑事罰よりも措置命令が重い社会罰になっています。

ステマ告示での現在まででの規制

チョコザップ

発表によると、同社は今年1~3月、同社が運営する低価格ジム「チョコザップ」について、インスタグラムによる宣伝を依頼していたインフルエンサー15人の投稿を自社サイトに転載。その際、「広告」や「PR」などの記載をせず、閲覧者に第三者の体験談と誤認させる表示をした。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240809-OYT1T50173/

この事例から、SNSで報酬を支払い、体験談と誤認を促す投稿をさせることはステマに該当。

医療法人

インフルエンザワクチンの値引きの代わりに、Googleマップの口コミに最高評価をつけてもらっていた。これがステマに該当するということで、この医療法人は措置命令を受けた。
参考:

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms204_240607_01.pdf

今後考えられる影響

ステマは、広告であることを隠した第三者視点の情報を発信して、購買意欲を高める施策のことを指します。つまりこれに該当する施策は全てステマ告示に該当し、措置命令が下るリスクがあります。

特に口コミサイトに報酬を事業者または消費者に渡して、良い口コミを書いてもらうための対策は、上記の医療法人の類型であるため、今後は、MEO業者に報酬を支払い、アカウントを量産してもらい、不正に評価を上げることが違法行為とみなされる可能性があります。

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