海外留学経験者ですら就職難の中国の労働市場/企業が求職者に求めるものを理解していないとこうなるというお手本
“海归”还是“海待”:今天,我们该如何看待出国留学
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_16134043
海外留学から祖国へ戻ってきた留学生が、現在職探しに難航するようになり、その理由はどこにあるのかという内容の記事である。中々面白い記事なので、中国語力に自信がある方は原文で是非読んで頂きたい。
留学経験者自信が、自分を高く見つもり過ぎていること、仕事の経験値がない(インターンシップ含める)という2点が、就職活動が難航している点を指摘している。
これについては、下記のようなデータが大きく影響している。
以前は海外で留学し大学等を卒業した後、そのまま現地の企業で働くケースが多かったが、今や8割近くの学生達が祖国に戻って就職を希望しているのである。これは中国経済の強さと明るい未来に期待してのことであろう。
ところが、彼らが思うほど、祖国の労働市場はそんなに甘くはないというのが現状である。国内の有名大学を卒業した人達は優秀で、能力的には留学組と遜色ないか、それ以上の能力を持っており、今や、留学という”ブランド”は通用しなくなりつつあるのである。留学と言えども、そのレベルはピンキリで、博士課程まで終えた人もいれば、ただ「留学」しただけの人もおり、留学組の中でも優劣がはっきりしている。
既に留学時代コスパの悪いものと化している状況であり、留学自体は給与などのお金に比例するものではなくなりつつある。まあ、普通に考えれば当たり前のことではあるが。そもそも留学に行って帰って来れば、バラ色の人生が待っていると考えている時点でもう詰んでいると思う。留学はあくまで自分の人としての「幅」を広げる為のものであると私は考えている。
入社後どれだけ実績を上げることが出来るか、これが重要である。これも当たり前の話なのだが、これを理解していない人が非常に多いという好例であろう。
これは語学習得者で就職活動中の人にとっても同じことが言える。自分の武器が「語学」だと信じてやまず、そこを前面に押し出して就職活動する新卒、現地採用の方を未だによく見かける。確かに語学ができないよりはできた方がいいに決まっているが、「お金を稼ぐ能力」という観点から見れば語学はあくまでツールの一種に過ぎない。仕事の実務能力があり、ビジネスで実績を上げることが出来る、更に語学が出来る、このような人達は労働市場でも非常に重宝される。これは間違いない。ここを勘違いしている人が非常に多いように思う。
今日はこれまで。では。
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