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海外留学経験者ですら就職難の中国の労働市場/企業が求職者に求めるものを理解していないとこうなるというお手本


“海归”还是“海待”:今天,我们该如何看待出国留学
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_16134043 

 海外留学から祖国へ戻ってきた留学生が、現在職探しに難航するようになり、その理由はどこにあるのかという内容の記事である。中々面白い記事なので、中国語力に自信がある方は原文で是非読んで頂きたい。

“定位过高”“经验不足”,海归求职两大困扰

 留学経験者自信が、自分を高く見つもり過ぎていること、仕事の経験値がない(インターンシップ含める)という2点が、就職活動が難航している点を指摘している。

これについては、下記のようなデータが大きく影響している。

国家统计局数据显示,2018年我国出国留学人数为66.21万人,当年学成回国人数为51.94万人,回国占出国留学人员比率达到78%左右,较2010年前后50%左右的比例,有了大幅度的提升
2019年,我国出国留学人员首次超过70万人。和早期出国留学相比,不管是总人数上,还是留学目的地的数量上,都达到了一个顶峰。在出国留学常态化背景下,我们不得不考虑一个问题:社会到底需要什么样的留学生?
对于很多人,出国只是留学的第一步,在国外学习,又应该着重培养哪些能力呢?“对于留学生的培养,我们比较看重语言能力,不能出国几年外语还不行,得能够用外语进行工作;做事要独立靠谱,能够自己思考、独立处理和解决问题,并善于协作沟通。”陈远表示,“学习能力要强,还要愿意尝试新事物,接受新想法。

 以前は海外で留学し大学等を卒業した後、そのまま現地の企業で働くケースが多かったが、今や8割近くの学生達が祖国に戻って就職を希望しているのである。これは中国経済の強さと明るい未来に期待してのことであろう。

新东方旗下公司“前途出国”刚刚发布《中国留学白皮书2021》显示,随着国内经济的发展和疫情控制得当,2021年意向归国留学生对国内就业环境更加有信心,选择毕业后马上回国就业的占比31%,较上一年增长6%

 ところが、彼らが思うほど、祖国の労働市場はそんなに甘くはないというのが現状である。国内の有名大学を卒業した人達は優秀で、能力的には留学組と遜色ないか、それ以上の能力を持っており、今や、留学という”ブランド”は通用しなくなりつつあるのである。留学と言えども、そのレベルはピンキリで、博士課程まで終えた人もいれば、ただ「留学」しただけの人もおり、留学組の中でも優劣がはっきりしている。

北京大学副教授沈文钦对此表示认同:“如果纯粹只算经济回报的话,出国留学的性价比正在降低。但是留学经历对个人的成长、品格的塑造等等的作用,却无法用金钱衡量。”

 既に留学時代コスパの悪いものと化している状況であり、留学自体は給与などのお金に比例するものではなくなりつつある。まあ、普通に考えれば当たり前のことではあるが。そもそも留学に行って帰って来れば、バラ色の人生が待っていると考えている時点でもう詰んでいると思う。留学はあくまで自分の人としての「幅」を広げる為のものであると私は考えている。

“以我做招聘的感受为例,学历只是敲门砖,真正还是看入职后的表现”。

 入社後どれだけ実績を上げることが出来るか、これが重要である。これも当たり前の話なのだが、これを理解していない人が非常に多いという好例であろう。

 これは語学習得者で就職活動中の人にとっても同じことが言える。自分の武器が「語学」だと信じてやまず、そこを前面に押し出して就職活動する新卒、現地採用の方を未だによく見かける。確かに語学ができないよりはできた方がいいに決まっているが、「お金を稼ぐ能力」という観点から見れば語学はあくまでツールの一種に過ぎない。仕事の実務能力があり、ビジネスで実績を上げることが出来る、更に語学が出来る、このような人達は労働市場でも非常に重宝される。これは間違いない。ここを勘違いしている人が非常に多いように思う。


今日はこれまで。では。



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