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【中国】なぜ病院に行きたがらない人が一定数いるのか

以前、下記のような記事を書いた。

 うちの会社で副鼻腔炎の人多いなって話だったのだが、現在も多くの社員がくしゃみだったり、咳だったり、色々な症状で苦しんでいる。

 私の部下も一人1週間も鼻水止まらず、一日中鼻水を吸っていたので耳鼻科では全国的に有名な上海の「六院」に行かせた。受付費用に+40元で専門家に診てもらえる。診断は「アレルギー性鼻炎」と私の予想通りだったのだが、薬も飲みだして2日程で良くなっていった。

 この件で改めて思ったのは、中国では病院に行くことを良しとしない、もしくは行きたがらない人が一定数いるということである。私の妻もそのタイプで、症状を百度で検索して、該当する症状を調べ上げた後、叮当买药(薬の配達サービス)で薬を買って飲んでいる。私の妻の場合は極度の医者不信である。で、私にいつも怒られている。

 この傾向は特に農村出身の方に多いように思う。確かに私が中国で留学していた2001年の頃はTVでもしょっちゅうニュースになるほど、偽の薬が市場を席巻しており、その摘発と闇業者のいたちごっちが常に行われていた。また、医者が製薬会社からより多くのキックバックをもらうため、必要以上の薬を出し、医療費が変に高くなるということも日常茶飯事だった。故に、彼らのその「医療に対する不信感」というものは、私にもある程度理解できる話ではある。

◆一定数の人が病院に行きたくない理由(Kennyの勝手な推測)
①経済的に病院に行けない、薬を買えない
②病院に行く習慣がない(農村にはそもそも病院がないところも多々ある)
③面倒くさい
④病と医者を忌み嫌っている(症状があっても)
⑤仕事が忙しく、人でごった返している病院に行きたくない

うちの会社で他部署の社員で、もうすでに2週間以上咳をしているものがいる。病院に行って薬をもらって服用していればとっくに治っててもおかしくないはずである。つまり、彼は病院に行っていない。別に他地方の人間を差別するつもりはないが、上海人ではなく、古来より中国でも海外への移民が多い地域の人である。恐らく、病院という存在を忌避している上、診察を受けるのが面倒くさいのだろう。

 確かに昨今の中国の医療のデジタル化は目を見張るものがあるし、診察も全てスマホで予約可能だし、薬や診察代、検査費用も全てスマホで決済が完了する。三甲(三級:中国では三〜一というランク付けがされる。三が大病院を指す)医院は確かに人が多いが、基本全て予約制なので、昔に比べればそこまで待たされることもなくなったのだが、それでも病院へ行こうとしないのである。

 私は不本意ではあるが、彼の上司である日本人駐在員に彼に病院行って早く治すように言いいなさいと言った。基本他人事なのでどうでもいいのだが、私は別の観点からその日本人駐在員に話をした。今回は、彼自身の病気の話だが、これは普段の仕事にもつながる話で、何か問題が起きても、その問題に気付いておきながら放置しておけば、悪い状況は更に悪くなる。取り返しのつかない段階になってアクションを起こそうとしても、もう間に合わない。

 彼の場合、仕事ではなく彼の身体の話である。身体は資本である。身体の変化にいち早く気づき、すぐに病院へ行って調べることが自身の健康につながる。さらに、自分の仕事への悪影響を早い段階で止めることができる。私はいつも身体がどこかおかしいと思ったらすぐに病院行くようにしている。病気になればなにもできなくなる、金も稼げなくなる、家族も養えなくなる。これは私のみならず、私の家族への責任を果たすうえで重要な事なのだ。


今日はここまで。ぜぇーうぇー(上海語でさようなら)

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