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1カ月で中国語をマスターすることは可能か?

このタイトルに関して、Twitterでフミコフ氏からご依頼を受けたので、私なりの考えをここで述べたいと思う。

巷に蠢く謎の語学ツイート発信者


Twitterでフォローされる方々を見てみると、一定の割合で中国語学習者の方がおられる。

私のプロフィールに、「通訳案内士・中日通訳検定」と書いてあるからフォローして頂いたのかもしれない。

いつも疑問に思うのだが、プロフに「HSK〇級」と書くのは何故なのかと。もちろん、そう書くことで自分にプレッシャーをかけて、よりよい級に合格したいというモチベーションの高い方もいらっしゃるだろう。

ただ、TLとかを見ていて割合的に多いのは、ただ単に自己顕示欲による明記じゃないの?と思うことがしばしばある。

はっきり言うが、英語のTOEICにしろ中国語のHSKにしろ、

〇点、〇級≒スピーキングのレベル

ではないということだ。それは、書いている本人も多分に自覚はしていると思う。

上海にいてても思うことだが、10年以上いても中国語がたどたどしい人はたくさんいる。もちろん、数年の滞在でもかなりつかいこなしている方もいらっしゃる、ただそれはあくまで極少数である。

大多数の人は、日本語訛り丸出し、外人丸出しの中国語レベルであることが多い。語学というものは、多分にセンスに関わってくるものなので、「ネイティブ」のような発音を身に付ける為には「耳がよいこと」が大前提となる。私は若い頃ミュージシャンであったので、自分で言うのも何だが耳が「非常によい」。色々な音を聞き分けることが出来る。生活の中でありとあらゆる音が耳に入ってくるが、それを一つ一つどんな音か理解することが出来る。

私はここで資格勉強が意味がないということを言いたいのではない。資格勉強にだって利点はある。それは総合的な語学力を伸ばすことが出来る、という点だ。

ただ、それがスピーキング力にはつながらないという事実は横たわっているのだが。

コロナ禍が常態化し、日中の国境線は依然閉じられたままである。以前のように、気軽に旅行に来ることが出来なくなっている。それは、中国語学習者からしたら非常に残念なことであろう。


一か月で中国語をマスターできる方法がある?


とある場所で、このような内容を歌った記事を見た。中身はよく読んでいないが、タイトルで釣りたいだけなのかもしれないが、初級者はこれに騙されてはいけない。

※私の場合、中国語のテキスト(CD付)を1冊買って、みっちり1か月勉強することで「基礎」をこしらえることは出来た。ただ、幸いにも「センス」と「凝り性」(要は自分の発音を録音して、ネイティブのものとどこが違うかを徹底して比較し、研究し、修正していった)が功を奏し「たまたま」そのレベルに到達出来ただけである。マスター出来たとは口が裂けても言えない。

中国語歴が長いフミコフ氏でも、このような状況である。Twitterで見ていて、正直胸糞悪いのが、発信者自身の中国語レベルが低いにも関わらず、「中国語がうまくなるコツ」だの「中国語の言葉や諺」を毎日教師面して発信を行っている人たちがいることである。

彼らからすれば自分の勉強がてらにツイートしてるだけなのか、露骨にフォロワー数を増やしたいだけなのかもしれないが、初心者はその人のレベルを理解していないので、うのみにしてフォローして勉強するという構図が見受けられる。

そもそも、Twitterで中国語関連垢をフォローしまくって、流れてくるTLを見てるだけで中国語の勉強になったと勘違いしている人が一定数いるのが痛々しい。そんなんで中国語のレベルが上がるわけない。もっとまじめに勉強しなさい、と言いたい。

これは語学の勉強のみならず、仕事でも同じようなことが言える。最近の若い人達を見ていて心配なのは、とにかく「効率を重視する」ということである。要は、常に「近道」を探しているのである。結論から言うと、そんなものはない

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効率というものは、多くの「無駄」なことを経験し、遠回りしてきたからこそ気づき、改善していけるのである。数もこなさず、効率を謳い手数少なく、努力もせず良い結果を得ようなどとは片腹痛い。夢を見るな、とにかく動け、がむしゃらにやれ、と言いたい。

この私のツイートは、フミコフさんに対するツイートのリプなのだが、これが真実である。私が所有している通訳案内士の中国語レベルというのは、中国人の大学生レベルのものである。それがどれだけ難しく、レベルの高いものなのか、「一か月でマスター!」とか謳ってる人には想像もつかないような領域であることははっきり申し上げておこう。


人とは弱い生き物である。つい楽な方に逃げがちである。でも、逃げだした先には楽園など存在ない。

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もがいて、必死にもがいた先に、求める結果が必ずある。

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安易な「おいしい話」には引っかからないようにしよう。


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