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中国語学習の心得(1)

手っ取り早く中国語をものにしたいという気持ちから、一ヶ月で中国語をマスター云々の怪しい情報に手を出してしまう危険性については、下記NOTEにて記した。

今回、それに加え、中国語学習者に役立つ情報を、同時通訳の権威である塚本先生の著書から引用させていただき、少しお話しさせてもらえばと思う。

中国語に限らず、どの言語においてもそうだが、レベルアップを図るのであれば、必ず下記の4つが大事となる。当たり前の話だが、このうちの一つでも欠けてしまうとだめである。

①聴く、②話す、③会話する、④読む


多くの人は、聴くばかり担っていたり、声を出して読むという練習が極端に少なかったり、ネイティブと会話をする機会が少ないということが往々にしてある。

多くの方が、色々と理由をつけて途中で「勝手に」挫折してしまっている場合が多いように思う。

①聴く

これは全てにおいて基本となるであろう。相手の言っていることを聴いて理解できなければ、そこから先はコミュニケーションの取りようがないからだ。

塚本先生の教えは下記の通りである。

どんな中国語のCDでも良いですから、それをただひたすら聴くのです。できれば、集中的に、常に中国語のシャワーを浴びているような感じで聞くべきです。少し非科学的な方法のように思えますか。いいえ、これには多くの学習者の体験に基づいたきちんとした根拠があります。たくさん聴くことによって、中国語の特徴を徐々に掴むことができるようになります。単に中国語の語感を養うだけではなく、文章構造を体得し、中国語独特のリズムや間の取り方身につけられます。頭で考えるより、まず耳でたくさん聴くことから始めましょう。
日本語を母語とする通訳者の弱点である方言にも積極的に触れるように努めましょう。

また、先生は所謂標準語【普通話】だけを勉強するのではなく、方言にも触れることを推奨している。何故か?

私が蘇州大学で中国語の勉強をしている時の話で例を挙げてみよう。同じクラスの多くのクラスメートは、学校での先生の喋ることについては聞き取れるし、ついていける。

ただ、学校を出た途端全く聞き取れなくなる。一つは、当時の蘇州旧市街区は蘇州語がメインで使用されていたので、中国語で話しかけても蘇州語で返ってくるため。まあ、これは特殊な例なので参考にならない。大事なのは次だ。

初心者である留学生皆が「蘇州語訛りの中国語」を聴き取れないからである。それは方言への拒否反応もあるだろうし、ただ単に訛りが聴き取れない=中国語の総合力が低い、という構図になる。

※よくいる留学生、「私は標準の中国語を学びに来たんだから、方言なんか勉強したくない、する必要もない」とかいう。正直言ってこの手の人絶対に伸びないし、仮に綺麗な中国語を喋れるようになったとしても、金城武が喋る「綺麗すぎる日本語」と一緒で、何かネイティブからすると違和感を感じる、要は文化的な深みのない言語話者となる可能性が高くなる。

これは、特に北京で中国語を学んだ人に特に多い傾向だ。他の地方であれば、必ず「方言」と向き合わないといけない時期が来る為、皆それに慣れようとするし、片言でも喋れるように覚えようとする努力をする。

②話す

声を出して読む。これが圧倒的に練習量が足りない人が多い。とにかく声を出してひたすら読む。塚本先生によると下記のような練習量が望ましいという。

何回くらい読めばいいのでしょうか。もちろん多ければ多いほど良いのです。それも10回、20回と言わず、100回でも1000回でも読み込んでください。声を出して読むことで、中国語の発音、文法、特有の言い回しなどが身に付いてきます。これは見たり、書いたりする学習ではなかなか得られません。使える中国語、特に話す力、書く力をつけるためには体で覚える必要があるのです。

③会話する

当たり前だが、自分一人で会話をすることはまず成立しない。ネイティブの人と中国語で喋る機会を設けることは必須だ。幸い、今の世の中オンラインレッスンがどこにでもあるので、それを利用するもの良いだろう。一番良いのは中国語ネイティブの友人をもつことだろうか。

日常一番よく使われているやさしい言葉から、次第に多くの言葉を積み上げるようにして、語彙や文型の数を増やしていきます。そして、話しかけた時の相手の反応をしっかり確認してください。特に、最初のうちは子供を相手に話しかけることをお勧めします。子供は状況判断をしてくれません。従って、通じていなければ、正直に反応が返って来ます。発音が正確か否かをチェックし、自分の不正確な音を発見して、できるだけ早い段階で発音の矯正をすることです。もう少しレベルが高くなったら、大人を相手に、新しく覚えた文型や単語を使うよう心がけながら会話をします。

④読む

まず必要なのは、3読である。多読、速読、熟読、この3つである。多くの学習者が語彙力を高め、文法であったり構文であったりを長い期間勉強して来たにもかかわらず、いざ喋ると文法的におかしかったり、変な中国語を話してしまう人は多い。

この原因は、普段から正しい中国語に触れる機会が少な過ぎることに起因する。要は、中国語の文章をもっと読みなさい、ということになる。

中国語のインプット量が圧倒的に足りないために、学んだ語彙や構文を応用できない、もっと単純な言い方をしますと、中国語の感覚が身に付いていないのです。素材は何を選んでも構いませんが、一つの分野に偏ることなく、さまざまな分野の読み物に挑戦してほしいと思います。
中国語には非常にはっきりした長短緩急があります。この点を常に意識しながら読んでいきます。単語の意味、文章の構成などをよく分析し考えれば、平坦な読み方はできないはずです。ああ、ここは盛り上げるところだな、ここは少し沈んだ調子で読んだほうがいいな、などと波をつけながら読んでいく


今回はこのあたりで。気が向いたら(2)を書くこととする。


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