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「There's no such thing as perfect piece of words. Just as there's no such thing as perfect love」 ____________________________________ その日もいつものように駅の西口で彼女と待ち合わせていて、広場には珍しくホットドックの移動販売車が停留し幾人かの学生で行列をついていた。毎度の如く先についてしまった僕がぼんやりと眺めていると「お腹空いてるの?」
明け方過ぎに家を出た。片道三時間の道のりを頭の中で整理しながら、エンジンを掛ける。 行方不明になっていた父の声を聞くのは実に十年ぶりのことだった。 昨夜、ご飯を食べ終えてのんびり洋画を見ていたら知らない番号からの着信に気が付いた。昔の忌まわしい思い出が蘇り、僕は電話を無視した。しかし、鳴り止まない電話に苛立ちを感じ、仕方なく電話に出た。 「正泰、元気にしてるのか?」 「…………」 「もしもし? 聞こえてないのか、なんだ」 僕は呆気に取られ、しばらくの間声を出せずに