ミュージカル『ボディガード』観劇記

2022/2/18に作成した文章です。

東京公演にて3階席より観劇いたしました。
一言で言うと、最高です。

観劇目的

新妻聖子さんが好きなので、歌って演じる聖子さんは定期的に摂取したい。
そして幕の上がらなかった2020年東京公演、私はばっちりチケットを取っていました。今年再演が決まったのは知っていたけど、自分が人生最大の金欠に直面していて、チケットは取っていなかった。しかし、たまたまU25チケットがあることを知り、この恩恵は受けられるときに受けるべきだと思い、すぐにチケットを取りました。

今朝まで、いつ公演中止になってもおかしくないこの今に不安を抱いていましたが、お知らせは出されず、無事に劇場に足を運ぶことが出来ました。

新妻聖子さんが最高

役ハマりすぎでは????
歌姫で、息子がいるという設定が本人に重なり、ますますそれぞれのシーンの感情への共感が強くなってしまった。

各歌唱シーンは圧巻。さすがとしか言いようがない。それだけではなく、ダンスもバチバチ。めちゃめちゃかっこいい。それでいてとてもセクシーで、あんなにきらびやかなことがあるだろうか。
開演してすぐのライブシーンで度肝を抜かれて、それ以来最後の曲までずっと半泣きで観てました。

曲にもたくさん出てくる「愛」。フランクやフレッチャーを始めとする、自分のチームの皆との会話の声や仕草にも愛が見えて、ずっとずっと綺麗だった。

ストーカーについて

まじでストーカーが現れる度にドキドキしてた。めちゃめちゃ怖いです!!!! 何をしてくるのか、どう近づくのか、マジで怖い。
フランクらが分析していたように、本気で人を殺そうとしているし、妄想癖が強かったのが、ストーカーの人格をしっかり怖くしていたのだろう。

ライブシーンでは、観ている側もどこかにストーカーがいるのではないかとキョロキョロしてしまうので、レイチェルに集中できないところはあるが、それほどに彼の存在に私達も握られている空間だった。

オスカー賞の舞台での犯行、このシーンの前に銃のレーザーポインターを確認するシーンが入ったのが本当にありがたい。ああいう、その後のシーンを格段に分かりやすくしてくれる演出の工夫は非常に助かる。

姉の妹に対する妬み

初めからとてもきれいで妹想いのお姉さんで素敵だなと思っていた。だからこそ、レイチェルにいつも及ばないニッキーの感情の動きが苦しくて苦しくて。同じ夢を抱いても、叶うのはいつも妹。それが重なりに重なっていて。

ニッキーの最期は、自分をレイチェルだと勘違いした人間から刺されたことでむかえられた。私はこの時彼女は一瞬でも満足感を抱いたのではないかと思った。少しでもレイチェルのように憧れられたのだから。それと同時に、フランクはニッキーを心から心配した。その前にはニッキーと話していながら、レイチェルに呼ばれてそちらへ向かったのに。
もちろんレイチェルがオスカーを受賞するところに立ち会えなかったし、無念の死ではあったが、本当に最期までニッキーはニッキーらしいなと、辛くなってしまった。

攻めの照明かっこよすぎな件

ライブシーンが多いこの作品。めちゃめちゃ照明が派手で細かくて、攻めてるな~~と大好きになってしまった。思わず名前を見ました。ありがとうございます、勝柴さん。3階の上の方で観ていたので、1階頭上を通る光が全部見えて、すごい楽しかったです。

それだけではなくて、ピンスポの使い方とか明暗の細かい区別もすごくわかって、照明のおかげで舞台の中でどこが今のメインなのかがよくわかりました。

あと、狭いクラブでのショーのシーン。ストーカーが少しずつ近づいてくるところを、ストップモーションに加えて照明のはっきりとした切り替えで緊迫感を出していて、その技術がすごくかっこよかったです。

本当に、細かい色や明暗の変化が攻めていて、かつ舞台に鮮やかさを加えていた。すごく好きでした。

仕上がっているアンサンブルチーム

レイチェルの後ろで踊り、はたまたクラブでカラオケをしたり酔いつぶれていたり、多彩に演じられていたアンサンブルチーム。ダンスも体も仕上がりすぎていて、何者??と思っていたら、皆さん元々ダンスの畑の方だったのですね。さすがでございました……

あそこまで華やかさを出せるのは、素晴らしいアンサンブルチームだったからだと心から思います。スウィングの方も含めて、拍手をしっかり送りたい。

まとめ

視点を分けてここまで書いてきたが、ストーリーとそれを見せるための演出が総じて綺麗でとても素敵だった。レイチェルの身辺と心境の変化、フランクのどこまでも仕事を全うするかっこよさ、レイチェルを囲むスタッフの熱意、ニッキーの妹レイチェルと自分自身への葛藤、それぞれが綺麗だった。レイチェルがフランクと話をしているところは本当に可愛くて、一緒にどきどきしてしまった。息子フレッチャーも素直でかっこよかった。いつからかフランクが相棒と呼ぶようになったのが、男の友情って感じで好きなやつでした。

チケットを取るか迷っていたが、心から観てよかったと言える作品であった。劇場で目の当たりにしてよかった。

大好きな作品です。

最後に

大阪公演のみで幕を下ろすことになった2020初演。あの無念を経て、2022年に再演をしてくださった、カンパニーや全関係者の皆様に感謝をお伝えしたい。

今もSNSでは「公演中止」の文字をよく見かける。
そんなご時世の中、千秋楽まで迎えられることは奇跡だと思う。

それが奇跡にならないように、現実に感染対策を徹底しながら作品を作り上げてくださって、本当にありがとうございました。

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