『ロッキー・ホラー・ショー』観劇記

2022/3/2に作成した文章です。

こんな演劇があっていいのか!?と思わせてくれるほどサイコーの作品でした。

チケットを取った理由

お目当ては河原さんの演出。ドロドロしていて心臓をつかまれるあの演出が毎回忘れられなくて、河原演出はなるべく毎回追おうと決めた2021年でございました。また、東京ゲゲゲイも応援しておりまして、直接拝見したことはなかったので、MIKEYさんの振り付けも含めて楽しみにしておりました。他の出演者さんも豪華で、こんな派手なことあるのかと思いながら向かいました。

観客参加型演劇

座って計2時間強観るつもりでいたのですが、トゥギャザーグッズなるものが売っており、声を出す代わりに音を出したり、ペンライトを振ったりしてねというスタンス。感染対策に余念がないぞセブンの皆様の前座では、振りのレクチャー、好きに立って良いというルールなどを知り、この舞台本当に好きなスタイルでふわっとした気持ちで観ていいんだと、とても気が楽になり、楽しみになりました。好きに立っていい演劇ある??と思っていたら、みんなで踊る曲以外でも壁側の玄人の皆様が立っていらしてサイコーポイントでした。

というわけで一緒に踊る曲はみんなで立って踊って、エンディングでもまたやって楽しかったです!!!!

一番面白かったのは、ブラッドとジャネットが雨の中車を降りて城に向かうナンバー。車から降りるジャネットがわざとらしく新聞を開くと同時に、グッズを持っている客も新聞を取り出して、一緒に頭にかぶって雨を避け、光を見つけて歩く二人に対してペンライトを照らしという、客激忙しいナンバーをみんなでこなしていく。曲自体も珍しく(後述)意味が分かりやすい曲だったのに、劇場の様子はおかしかったです。

大好き河原演出について

今回の演出はあまり癖がなかったように感じたのですが、いかがですか?いやまあ、もちろん癖はありましたけど。フランクが出てきたあたりで舞台端にフランクの顔が現れるところとか、最初のロッキーの登場が包帯ぐるぐる巻きとか、いちいちドロッとしている。それが河原さんの好きなところです。連番した知り合いと「エディの切り刻んだ死体が袋に入って持ち込まれたあたりが河原さんだ」と盛り上がりました。

脚本や言葉に対して

オチがそうか~とは思った。納得はしているが、腑には落ちていない。まさか、これまでのフラストレーションからフランクを殺して宇宙に帰って解決とは思わなくない? まあ、元々の脚本が外国物なので合う合わないはあるのかなとは思いますが。ただ、そこでロッキーがフランクをかばうとは思わなかった。ロッキーもフランクに振り回されていた側なのに、結局子は親を守るというところなのだろうか。フランクをかばって光線銃で撃たれた2人のそれぞれの想いは考えさせられたな。

あとそれぞれの曲の歌詞を知りたい!! 私には何を歌っているのか、全部はわかりませんでした!! 面白いことはわかった!!

たまに現実世界との境目がなくなる瞬間があって、前提として気楽に見られるので全然気にならなかったし、めちゃめちゃ笑ってしまいました。みぃちゃんの坊主いじりまだされているの、元アケカス的にはエモいです。ROLLYとオカケンが「インディーズとJ出身で違うからな」みたいな扱いされていたのもおもろでした。雑で良い。

オカケンがかっこいい

河原演出でオカケンさんは一度拝見しておりますが、今作のオカケンさんめちゃめちゃかっこよくて惚れました。今回の一番の収穫です。エディがイケイケで最高にかっこよかったです。エディの格好とノリが私は好きだったし、オカケンさんのビジュに合っていたので、フランクにばらばらにされるくらいなら私が引き取らせてくださいというお気持ちです。

今作はギター演奏もされていたのがめちゃめちゃかっこよかったですね……

なんだろう、あの渋さとタフさが惹かれるのだと思います。
河原演出ではない機会でも観たいな。

昆ちゃんが良い

初めて実際に拝見しましたが、想像以上に可愛くてびっくりしました。しかも、めちゃめちゃ歌うまい(そりゃそう)。一人だけ上品に上手くて、昆ちゃんが歌いだすと、一気に真面目な舞台になってしまっておりました。
河原演出の変態舞台じゃなくて東宝で舞台に立つ昆ちゃんを次は観たいです。でも、変態舞台でもあそこまで演じ切るのがすごいなと思いました。かっこいい。

まとめ

とても楽しかったです。新たな演劇の可能性を目の当たりにしました。どの演者さんも最高でした。ダンサーチームは誰もが自分をきれいに見せていて美しかったな。余念がないぞセブンでメインで話していた方の存在の癖が強かったのですが、本編でも癖が見え隠れしていて気になっておりました。武田真治のサックスを生で聴けたのは、めちゃイケの民としては幸せでした。みぃちゃんが役者として輝いているのを見られたのは感動です。古田さんは実際に見ると、不思議な魅力と品の良さがあったから、また機会があれば舞台に立つのを観たいです。ROLLYさんをはじめ、音楽チームもアツかったな。ゴリゴリのバンドサウンドで展開されながらも、急におしとやかなピアノが始まるシーンも多々あり、keyはよく暴れているし、見える生音はやっぱりテンション上がります。

最後の最後に詰め込んでしまいましたが、ガチャガチャしながらも、個々が輝いていて、客を思いっきり巻き込んでいく演劇でした。

違うキャストで再演があれば行きたいです。

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