トリシュナーの声 No.7
ぬくもりがおそろしい
やさしさにとまどう
「もう恋なんてしない」
一度つらく苦しい恋をして
澱みのような涙と一緒に消えていった
あのときから
一人で生きていく決意をした
一人で生きていく努力をした
もう何が起きても
立ち上がれるくらい
生きていくと決めて進んでいた
なのに
不意に触れた人のぬくもりに
涙がこぼれそうで振り払った
こわい
どうすればいい
本当は
包まれたい
溺れるほどに
求めてしまう
でもだめだよ
この腕すら振り払うくらいに
愛を知りたくない
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