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トリシュナーの声

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ここでは「愛を知る」ことを 最後に告げて終わる詩をお届けします。 ちなみにトリシュナーは サンスクリット語で“渇望“となっています。
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2020年7月の記事一覧

トリシュナーの声 No.3

トリシュナーの声 No.3

「君のことが好きです
付き合ってください」

何度この言葉を発しただろう
返ってくる言葉は
分かりきったようで
時々形を変えるけど
分かりきった形に戻っていく

熱いものはいつか冷める
自然なことだよな

でもいつだって心の中には
この熱いものがあって
それを形にしているに過ぎない
それしかできないから

でも発したことはあっても
発されたことはない

だからもしそんなことがあるのなら
冷めること

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トリシュナーの声 No.2

トリシュナーの声 No.2

愛だとか恋だとか
そんなものは擬物だ
実在すると言うなら
早く俺の前に現れてくれよ!

女と話すことは苦手だ
女特有の甘いにおいも苦手だ
だからといって
俺は男が好きと言うわけではないようだし
好きになると言う感情が
欠けているだけとしか思えない

欲は人並みにはあるし
好みも多少あるつもりだ
でも相手として考えることはない

だから
俺はなにも行動しないまま
誰かが証明してくれることを
呆然と待

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トリシュナーの声 No.1

トリシュナーの声 No.1

愛することは尊いものだ
私はいつしかそう思って遠ざけていた

こうしたらモテるよ
このコーデが今年のトレンド
意外と知らない男子が思っているモテ仕草

周りとの何気ない会話でも
通りかかったコンビニの雑誌コーナーでも
調べてた先にあるネットの小さな広告でも

愛するための努力の仕方は
膨大な波になって私に悩みの霧を浴びせかける
遠ざけていたものは身近になっていく感覚

なんだろう

本当に愛するこ

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