12/5の粒

こう思ったの、わたし
屈辱だったの、わたし
大声でわめきたいの、わたし
反論したいの、わたし

怒りたかったの、わたし

重いねっとりとしたコールタールが
どんどん増えていって
身体の海を黒くする
その中の3滴ほどを口から吐き出す
それで充分
だと思ってた
ずっとそうしていたから

それから
白いペンキで上塗りしていく
よい子のベールで覆い隠す
首を垂れてみたりして 自分を貶める

そうしてできあがったいまのわたし
たったいまのわたしも

それでいいの?

計算式には合わない
悟った人の教えとは違う
きっと真理とは程遠い心理
甘すぎる 甘ったるすぎる 

誰にも言えない
誰にも言わない

それがたったいまのわたし
無視された
まぎれもないわたしの細胞のざわめきと心の波は
行き場をなくして 全身を暴れまわり
やがて 澱となり 浸食してゆく

また それでいいの?

間違っているとか 間違っていないとか
そんなことはどうでもよくて
だって
わたし、そう感じた 思った 
くやしかった かなしかった 不安だった
わたしの不安を わたしの怒りを ひていしないで!

かみさまはひていをこうていする
ほとけさまも 
天使も 妖精も 宇宙も
いいって言ってる

ひていするのは
人間と わたしだけ
人間と
わたしだけ

だから
蜻蛉の眼鏡が見つめてる
そのパピルスにしたためる
ひていのこうていを描くことにしようと
そこから はじめることにする

じぶんのために
そこから だれかのために



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