2010年6月パルコ・プロデュース「裏切りの街」

2010年6月に観た「裏切りの街」作・演出/三浦大輔の感想日記です。
この作品が私がアメブロで長らく書いていたブログ内の感想日記の第一回目でした。
今、調べたら偶然にも先月、別キャストで再演されておりました。
また、ドラマ化されそれが映画館でも上映されました。
そちらも観ています。
私は三浦大輔作品が大好きで、この作品の感想も好きが溢れています。
「いやだから好き」というのが私にとっての三浦大輔作品です。
しかしキャストが豪華でした。

****************************

ポツドールの三浦大輔が作・演出した「裏切りの街」@パルコ劇場を先週(だっけ)観た。主演は秋山奈津子。
その夫役に松尾スズキ。
恋人?役は田中圭。

http://www.parco-play.com/web/play/uragiri/

いいとか悪いとか正しいとか間違っているとか白とか黒とか
どちらでもあってどちらでもない、
モヤモヤゆるゆるわけわからんとした部分ばっかりで生きている。
人間の本質とか、そういうところをさらけ出してみ見せるのではなく
ただただひたすらそのモヤモヤをこれでもかこれでもかと
丁寧にすくい上げて見せる。
そういう芝居だった。

だから、イヤだった。


ありがちな日常会話、行動で物語が進んでいるように見えるが
人っていうもんがモヤっとしたまま、ただ口にして動く、その様が
あまりにリアルでただ単に「ああ、わかる」とか「あるある」とは違う、
どうしようもなくそうなっちゃうんだよな感が「あちゃ~・・・」となって
見ていくうちにおかしいやら哀しいやら・・・・痛いやら。

だから、イヤだった。

以前観たポツドールも確かにそんなだったが
設定が若者だったせいなのか(・・・・・)その時はあんまり感情が揺さぶられなかった
(ま、無性に男子と接吻したい衝動にはかられたが)。
でも今回はこんな感じでやられてしまった。
大人が設定だったからか?


若男女の会話とか姉妹のちょっとしたやり取りなんか
もう、ね、別に大した事言ってるんじゃないのに
ちょっと息が止まりそうになったもん・・・・・。
そう。
大した事言ってない、というか私たちが日常に言ったことがあるような
言葉たちなのにどうして心がザワザワするのだろう・・・。
でも私だって日々、何かにザワザワしてモヤモヤしている。
安定なんかしていない。
安定や幸せが何かなんてわからない。
それをしっかり見せられるのはやっぱりイヤだな。
怖い。


3時間超えの長丁場だったが全く飽きずに観られたながら
心がぐったり疲れた。
怖くて2回は観れないよ・・・・。

出演者はポツドール組も含めみんな素晴らしかった。
松尾さんはいつもみたいなゆるい面白さで
(多分)アドリブだらけだったりちょっとやり過ぎ感も含めて
いつもの松尾スズキ。
でも怖かったな~・・・・。
あれが松尾さんじゃなかったらあんなに不気味な男にならなかったような。
あと出番少な目ながら江口のりこちゃん(サネイエね)が味が出てて
すごく良かったな~~~。
やっぱり好きだ。

ついでにラストにかかった銀杏ボーイズも良かった。
峯田くんは三浦作品にぴったりだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?