1/20の極私的粒

わたしがあなたの胸に手を置いたら
あなたは手を重ねてくれたのが
嬉しかったから

あなたが
4匹の猫と戯れても
誰かと
燃えるような夕陽を共有しても
小さな部屋でカラフルなごちそうをふるまっても
見覚えのある緑の絨毯の中を共に走っても
わたしの知らない風景と時間を纏っても
朝も昼も夜もおしゃべりをしても
美しいポートレイトを撮影してあげても

いいんです

頭の片隅に庇護する猫を常に住まわせるあなたを

その心を大きく占める聖域を

エイリアンであるわたしは侵してはいけないから

あなたがくれた
春の日差しのような
夏の空のような
秋のそよ風のような
冬の透明さのような
わたしの世界を変える鍵を
大切に抱きしめて
いつか扉を一瞬に開けてくれる日を
待っている

それまでは、
いいのです
それまでは、
月は星のものなのです

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