つぶやき ~絶対音感ってなに?~
ふと、目にした文章や事象を反芻している。そんなつぶやき。
前回の反芻はこちら。
絶対音感ってなに?
なんか超能力に見えて、20万人に1人の確率でいるみたいなので、微妙な立ち位置にいる絶対音感。
絶対音感とは、聴いた瞬間にその音の音階がわかる謎能力…だと個人的には思っています。
絶対音感は、相対音感とはまったく異なります。簡単に言えば、相対音感は音を聞いた瞬間にピアノのドか、自分の中にある基準の音から「いくつ離れているか」で音を推測します。一方、絶対音感はいくつ離れているか考える間もなく「瞬時に」音を推測できます。ちょっと音を特定するのが速いですね。
なかなか伝わらない絶対音感。今回は絶対音感を色んなたとえ話で、できる限り伝えてみようと思います。
どんな感じで音がわかるの?
「ドレミ」で瞬時に流れます。
皆さんの思うドレミの音階はあくまでもピアノの音階だと思います。この音階、実はクラリネットやホルンなど楽器が違えば音階の「ドレミ」も様々なのです。この話は長くなるので、今回の「ドレミ」はピアノの音階をベースに話します。
例えば私の最近聴いているこの曲、「Fatal」。0:50あたりから聴こえるFatalのサビはこのような歌詞で歌っています。
絶対音感はここの部分を気にして聴くと、こんな感じで頭の中で声がする。
これを音にするとこんな感じ。
これは1分もかからず打ち出しています。
いわばパッと聴いただけで再現できるので、口笛最強マンですね。
でも私、口笛吹けないです。かなしいです。
作曲するとき
私は作曲するときは、風呂で浮かんだ曲を再現するように楽譜に落とし込んでいます。「ふふ〜ん…待って待って待って、忘れないうちにMuse Scoreに打ち込まなきゃ」みたいな勢いで風呂から出ています。
最近は作っていません。浮かんだメモばかりが溜まっていきます。
役に立つことある?
結論から言うと、日常では役に立つことはありません。なくても別に困ることありません。ただ、音楽の聴き方や楽しみ方はだいぶ変わると私は思います。
オーケストラだと、表面だけで聴こえるのとは違って、いろんな楽器が出しているパートが聴こえます。情報量は多いかもしれませんが、その分奥行きを感じることができます。立体感が生まれます。
あ、この楽器、この場面を支えているんだ。
あ、ここは裏で掛け合いみたいになっているんだ、など。
曲の解釈がすこしだけ深くなります。
たまに曲に隠されている小ネタが分かる
先ほど、曲の解釈が少し深くなると話しましたが、つまり「曲を解釈する時の引き出しが多くなる」ということです。
例えば、あの一世を風靡した『推しの子』の主題歌「アイドル」。あの曲はサビに入る前はほとんど「黒鍵」の音が使われています。ですが、サビに入ったとたん「白鍵」の音ばかりが使われるようになります。
裏ではいくら事情があれど、表舞台に立てば白鍵のように、すべてを隠して綺麗な自分を魅せるアイドルを表現しているのかな…だけではありません。ピアノは「白鍵だけを弾けば、何を合わせても綺麗な和音を作ることができる」と言われています。それもあり、いつもきれいな自分を取り繕って相手に、世情に、空気に合わせることができるアイドルを表現しているのかな…
みたいな感じで、音が分かると考察が深まるときがごくたまにあります。
他にもこれは有名ですが、ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドでは英傑の一人である「ミファー」というキャラクターが登場します。この種族はゾーラ族というのですが、このゾーラ族の主要キャラクターを並べると、名前が「ドレミファソラシド」になっているのです。
察しているかもしれませんが、このミファーのテーマ曲。サビにミとファがめちゃめちゃ使われているのです。ミ…ファミ…ファミ…ファミ…と続きます。いい曲です。本当に。
そしてこの弟、「シド」というのですがシドのテーマもシとドの音が主にサビで主役になっています。シー…ドシードシー…シラソラーレド#ドシー…
最初聴いたときには、鳥肌でした。あ…名前が元になってる…と。
ゼルダには思い入れがありすぎて、語ると止まらなくなるのでここらへんにしておきます。いつかゼルダの考察noteも出してみたいです。
このように、音が分かるとごくたまに曲に隠されている小ネタがわかったりもします。
スーパーで流れている曲とかも分かる
マルナカのテーマソングとか、CMで流れているフジパンの曲とかも全部わかります。なので、私は吹奏の学校演奏会みたいなやつで曲当てクイズをしたのですが、スーパーの「どっかで聴いたことあるな…」みたいな曲ばかり出題しました。
楽譜なしで、どんな曲でも再現可能なのは利点かもしれません。まあ吹けるかどうかは別ですが。
困ることとかあるの?
個人的には決定的に一つ、これだけは言えることがあります。それは「歌の歌詞が覚えられないこと」です。先に音が入るので、曲を「音」だと思って聴いてしまう癖ができあがります。なので、歌詞がまったくと言っていいほど、私は頭に入りません。
これで何が困るのか。困り事だらけですよ。カラオケで歌うときに初めて「あ、この曲こんなこと言ってたんだ」ってなるのですから。カラオケの字幕を毎回必死に追っています。歌いながら曲に浸るとかそんなの無理です。字幕追うので必死なので。
あと原曲キーでしか歌えません。ベースがあれば音楽経験があるのである程度対応できますが、よくありますよね、友達とふと曲を思い出して鼻歌を歌うとき。あのとき、原キーで歌うと「こ…んの絶対音感自慢しやがって」みたいな空気になります。こっちは原キーしかパッと歌えないから原キー歌っているのに。本当にいいことありませんよ。
あとですね、「絶対音感なんだって?じゃあこの音なに?」みたいなノリで手拍子する人いるんですよ。正直なんの音かわからないです。すみません。そういうときは一緒にリズムとって手拍子してます。即興音楽団のできあがりですね。
個人差がとてもあります
ここまで話してきましたが、本当に感じ方や聴こえ方は個人差があります。イメージ図はこんな感じ。
結論
絶対音感は聴いた瞬間に「バチッと」音階がわかります。頭の中で音がドレミで聴こえている感覚です。だから、技量があれば曲をその場で再現できたりします。
あったら音楽の奥行きが深くなったりや考察の引き出しが増えますが、別になくても困りません。逆にちょっと支障のほうが多いかもしれません。
おまけ
相対音感ゾーンはほぼ絶対音感で解いてるようなもんでした。音が高いか低いかは、音がわかればわかります。だからなんなのでしょうか。本当に。能力を交換できるならば、絶対に音感と瞬間記憶能力を交換します。真っ先に。
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